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【臨床心理士 講座】感情を味わう②〜感情の使い方〜

保育士のような仕事は感情労働と呼ぶことがあります。感情が動かされやすく、精神的に疲弊しやすくなります。単に感情的になりやすいだけでなく、保育の現場ではその自分の感情を上手くこどもに伝えることも必要になります。このノートでは、こどもに仕返しをしないために大人が気を付けることをまとめています。

感情はこぼれてしまうもの

保育や子育ては、大人がイライラしたり不安になったりします。当然、それをそのまま伝えてしまっては、こどもを傷つけることになってしまいます。

私たちはこどもに仕返しをしてはいけません。しかし、どれだけ気持ちを圧し殺しても、イライラや不安はこどもに伝わるものです。
もしかしたら、必死に自分の気持ちを圧し殺している私たちの姿は、こどもにとって、何を考えているかわからない不気味なものに写っているかもしれません。

感情を味わう

笑う親子

関係を味わうためには?

これまで繰り返してきましたが、人は抱えられることなしに人を抱えることはできません。関係を味わうためには、ちょっと否定的な関係になってもおおらかに受け止めてくれる環境が必要です。
保育園や家庭の雰囲気は、基本的には暖かいけれども、ぎすぎすしたり、暗くなっても大丈夫という態度でいられるでしょうか?

そのために、関係が続けられなくなりそうな否定的な状態になったら、お互いを否定することなく適切に助言や援助が入るでしょうか?(ここでいう助言や援助は、何かをする、させるではなく、一緒に考えることです。)

「それでいいのだ」という基本的な態度と、「なにかあったら支え会う」という基本的な配慮が、豊かな感情の交流には必要です。

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この記事を書いた人

川北 一征

川北 一征

臨床心理士・公認心理師

臨床心理士・公認心理師。1988年生まれ。大阪府出身。大学院終了後、児童福祉施設の心理士として勤務。こどもの心理治療や保護者、保育士の相談業務に携わっている。二男の父。

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