このノートでは、まるで友達のように距離が近く、適切な関わりが持てない保護者の方の、そうなる理由や対応について書きます。この様な方の中には、友好的に見えていても、突然豹変し攻撃的になる方もいます。基本は毅然とした対応が求められることになります。
●距離の近い方の様子
保育士に対して度が過ぎた自己開示や、プライベートな質問をする方がいます。やわらかく断りを入れても、強引に距離を詰めてくるかもしれません。
この様な保護者の方は始めこそ友好的です。しかし時が経つにつれて保育士の負担もあがってきます。断りを入れたくなっても、なんとなく保護者の方に悪いと感じ、中途半端な対応になってしまうかもしれません。あるいは、断りをいれようとすると、いままでの友好的な態度が一変し攻撃的になり、保育士のことをこき下ろすようになることがあります。
●どうしてそうなるのか
私たちは無意識に他者がどう考えているかを推測し行動しています。しかし中には、他者の気持ちを推し量ることが苦手な人もいます。その結果、自分の気になることを話してしまうのかもしれません。
他者の気持ちがわからない人は、他者から気持ちを汲んでもらえなかった人かもしれません。その様な人は、他者と一緒にいることが不安なので、よくしてくれる人とニコイチの存在になることで安心しようとします。そのため、自分の気持ちを理解してくれない、思いどおりに動いてくれないとなるや、攻撃的に変わってしまいます。
●対応方法(考え方)
攻撃的な方と同じく、必要以上に距離が近い方とは毅然と対応する必要があります。下手に要求をのんでしまうと、保護者の方にとってもそれが当たり前になってしまいますし、内容によっては、他の保護者の方の不利に働くかもしれません。施設の枠組み、保育士としての倫理を私たちが自覚しておくことが重要です。
またこのような保護者の方の中には、特定の保育士とだけ距離を縮めることで保育士同士の関係をかきみだす人もいます。保育士同士が日頃からコミュニケーションを密にとり、保護者との関係が枠を越えていないか、率直に語り合えるようになっていることが重要です。
定期的に保護者との関わりを見直す機会があればそのような園の風土が作りやすくなると思います。保護者との関わりを見直す作業は、保育士個人のためにも有効です。最初は友好的な保護者に好意的だったのに、だんだん辛くなって保護者の方に否定的な感情になって…と、保育士が気持ちを揺さぶられてしまいます。自分の関わりを振り返りながら、可能な限り冷静に関われるようにならなければなりません。