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【臨床心理士講座】落ち込んでいるとき〜しつけで大事なこと〜

このノートでは、何度こどもに注意しても上手くいかず、落ち込んでしまっているときの背景や対処法について考えます。
しつけをしないといけないのに、気持ちがついていかないとき、それでも無理をしてしまうと、イライラや自責の念にさいなまれてしまいます。今よりも少しだけあなた自身とこどもを受け入れられるようになることが重要です。

落ち込んでいる時の様子

 こどもに注意や声かけをしても、同じことを繰り返します。あるいは、こどもが同じことばかりを求めて泣き出してしまうので、心も身体もヘトヘトです。
それでもこどもは言うことを聞かないし、自分の欲求を訴え続けます。あなたが落ち込んでいる分、むしろ今まで以上に激しく訴えるかもしれません。

 すると次第にあなたはイライラしたり、自分は何もできないと感じたりするかもしれません。こどもへの態度はさらにぎこちないものになり、悪循環が続きます。
そんな状態が続いていると、だんだん気持ちが落ち込んできて、最悪、何も感じない状態になってしまいます。

どうしてそうなるのか

 気持ちが落ち込んだり、何も感じれなくなるのは、心がそれ以上傷つかないようにするための防衛手段です。

 もしかしたら心は「いったいいつまで続くんだろう」とか、「何回やってもだめなのは私の責任かもしれない」と考えているのかもしれません。
こどもとの終わりの見えない関係は、ときに自分がこどもに全てを奪われているような感覚を覚え、無力感を味わうこともあります。

 そんなときは、こどもから気持ちが離れ、しつけをする気持ちにはなれません。

腕を組んで悩むエプロンを着た若い女性

対応方法(考え方)

 しつけはこどもの成長にとって大切なことです。しかし、いつもいつも完璧にしつけなければならなわけではありません。

 頑張る日もあれば、手を抜く日もあるのが人としての生活です。

 頑張る日と手を抜く日の間で、大人の対応が少し違っていて、こどもが戸惑うことになったとしても、それは仕方のないことです。
こどもには安定した関わりを、わかりやすい環境をと考えるのは良いことですが、こどもの、泣いたり戸惑ったりした経験は、こども自身の大切な一部であり、それを否定する必要はありません。
 むしろこどもにとっては、大人が手を抜いてはいけないと思い、頑張り続けたせいで、無気力になり、こどもの状態に合わせて気持ちを向けてくれないことの方が問題です

 まずはしっかり休憩をとらなければなりません。自分の時間を持つことが重要です。

 それが家庭であれば、頼れる家族やパートナーがいることで自分の時間を持つことができます。
もちろん、手を抜く日より頑張る日が多くないといけません。
慢性的に落ち込んでいて、ほとんど頑張ることができないというのであれば、病院や心理カウンセリングなど、専門的なケアを考えることも必要です。
こどもからなるべく気持ちが離れないように、普段からあなた自身をケアできる環境が必要です。