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【臨床心理士講座】こどもが駄々をこねるとき〜しつけで大事なこと〜

このノートでは、『こどもが駄々をこねているとき』の背景や考え方、対応について書いています。
こどもが駄々をこねるのは、こどもとして当然のことです。許されないことを許すわけにはいきません。怒りや悲しみを感じることは、こどもが自分自身として生きる権利だと考え、受け止めることが大切です。

こどもが駄々をこねる時の様子

 今日は絵を描くので玩具では遊ばないと約束しても、玩具が目にはいってしまうと遊びたいと駄々をこねだすことがあります。家庭でも、お菓子は買わないと約束しているのに…以下同文。こどもが駄々をこねるタイミングは山のようにあります。

 駄々をこねはじめると、どんな言葉もこどもの目的が達成できるまでおさまることがないように感じます。ときには、心が折れてこどもの要求をのむことがあります。すると、こどもは次のときにも駄々をこねてしまいます。

どうしてそうなるのか

 自分の思いどおりにいかないとフラストレーションがたまるのは、こどもだけでなく人間誰もがそうだと思います。こどもは、その気持ちを抱える器が大人よりも小さいだけです。

 気持ちを抱えられないというのは、単に我慢ができないというわけではありません
その気持ちに自分が壊れてしまいそうになるような不安があるから、なんとしてでもやりたいようにやりたいと感じてしまいます。

 当然その不安は、自己肯定感が低いこどもほど強く感じられますまた、こどもの発達段階において、その不安に対する耐性が弱くなる時期があります。

いわゆるイヤイヤ期の前後では、とにかく自分の思い通りにしないと納得できません。
これらの状態にあるこどもは、自分でやりたいけど、甘えたいなど、矛盾する気持ちも同時に達成しようとして混乱することがあります。

子ども

対応方法(考え方)

 こどもが駄々をこねているとき、周りに人がいなければ毅然と対応できます。しかし、人がいるとどうしても場を納めなければと考え、こどもの我儘に付き合ってしまいます。

 しかし、堂々としてください。私たちは悪いことをしているわけではありません。どうしてもどうしても難しい場合は仕方がありません。こどもに降伏しましょう。しかしそれでも堂々と負けを認め、潔くこどもに付き合います。

 とにかく大事なのはこどもの気持ちによって、私たち大人も不安になって感情的にならないことです。こどもが感情的になっていると、大人も感情的になりやすくなります。感情的になりやすくなるぞと意識しておくことが大切です。

 こどもが我慢をしないといけないときに、我慢ができるためには、日頃基本的には自分の希望が叶うという生活が必要です。何は譲れないかをはっきりさせ、こどもの自由に任せられることは任すという態度が重要です。不安の耐性が低くなっている時期は大変です。何が正解で何が間違いかはっきりしません。こども自身も自分が何をしたいかわかっておらず、とにかく思いどおりにしたいからです。

 この時期の大人の役目は堪えることです。こどもの気持ちに寄り添う気持ちが大事です。
しかしそれは絶対に失敗します。(なぜならこどもも何がなんだかわかってないので)

 大人が感情的にならないようにすることが大事です。
しかしそれも多分たいていは失敗します。(繰り返されるこどもの理不尽な要求に堪えられる聖人でない限りは)

 堪えましょう…。こどもも、あなたも悪くありません。苦しいときはSOSを出せるでしょうか?周りの大人は何も力になれませんが、一緒に悩むことはできます。よければ相談してください。