保育の学び

防ぎたい!幼稚園・保育園の窒息事故

  子どもに関する事故の中でも「窒息事故」は日常で起きやすく、気をつけている人も多いですよね。子どもの窒息はふとした瞬間、簡単に起きてしまいます。

 窒息事故を防ぐためにも、どのような場面で起きやすいのか、どういったことに気をつけたら良いのか、万が一起きてしまった時の応急処置をお教えしていきます。

目次
どのような場面で窒息事故が起きる?
窒息事故を防ぐためにできること
窒息事故が起きてしまった時の応急処置
まとめ

どのような場面で窒息事故が起きる?

 子どもの窒息事故は、気をつけていても一瞬で起きてしまうことが多いです。どのような場面で起きやすいのか把握しておくことで、より一層気をつけて保育を行うことができるので理解しておきましょう。

食事中

 食事中は食べ物による窒息事故が起きやすいです。食べ物の中でも「ピーナッツやアーモンドなどの豆類」「飴」「キャラメル」「こんにゃくぜりー」「ミニトマト」「ぶどう」などは窒息事故が起きやすい食品なので、大きさや与える年齢は適当なのか、しっかりと確認をしましょう。

 また、口の中に入れたまま動いてしまったり、寝てしまったりする時も注意が必要です。食事中は席を立たない、寝てしまった場合は口の中のものを出すということを徹底してください。

睡眠中

 睡眠中は布団やミルクの吐き戻しによる窒息事故が起きやすいです。保育園等で使われている寝具の柔らかさや、睡眠中の布団の位置などをチェックすることが大事になってきます。

 また、ミルクの吐き戻しが心配な場合はしっかりとゲップをさせ、ゲップが出なかった場合も顔を横にして近くで様子を見るなど対策をしましょう。

自由遊び中

 自由遊び中は小さなおもちゃを誤飲することによる窒息事故が起きやすいです。なんでも口に入れてしまう時期の乳児は特に気をつけましょう。幼児期でもビー玉やスーパーボールなど小さめのおもちゃによる窒息事故が過去にも起きています。

 自由遊び中小さなおもちゃで遊ぶときは、保育士が近くで見守るようにしてください。

 

おもちゃで遊ぶ赤ちゃん
 

窒息事故を防ぐためにできること

 窒息事故は「事前の確認」をしっかり行うことで大半のことは防ぐことができます。窒息が起きやすい場面を理解した上で、どのような予防策を行うのが良いのか考えていきましょう。

食品の大きさと固さを確認し、席から離れない

 食事の場面での窒息事故を防ぐには「食品の大きさ」を確認しておくことが一番大事です。ミニトマトやぶどうは粒ごと出さずに、1/4にカットして出すようにします。

 また、大きさだけでなく「食品の固さ」も重要なポイントです。固い豆類は4歳以上になってから出すようにし、年齢にあった固さの食品を出すようにしましょう。食事中は席を立たないよう子どもたちにも何度も伝え、食事の介助をする保育士も自分の担当テーブルから離れないよう気をつけることが大切です。

睡眠時の呼吸チェックを必ず行う

 睡眠時の窒息事故は「呼吸チェック」を行うことで防ぐことができます。保育園のお昼寝時は5〜10分間隔で呼吸チェックすることが義務付けられているので、布団が顔にかかっていないか、ミルクの吐き戻しはないか確認をしましょう。

 子どもたちのお昼寝時は、連絡帳を書いたり製作準備をしたりと仕事ができる時間でもありますが、窒息事故を防ぐためにも呼吸チェックは忘れずに行ってください。

おもちゃの大きさは適切か確認する

 自由遊び中に起きやすい窒息事故は「おもちゃの大きさは適切か」遊ぶ前に確認することが大事です。子どもの口に入れやすいものや、対象年齢から外れているおもちゃは避けましょう。対象年齢内のおもちゃであったとしても、小さいおもちゃを使用するときは近くで保育士が見守ることができる時に遊ぶようにすると、より安全です。

 

おもちゃ

窒息事故が起きてしまったときの応急処置

 気をつけていても、目を離した一瞬で窒息事故起きてしまった場合の応急処置もしっかり知っておきましょう。万が一に備えて、園全体で講習を受けたり定期的に人形を使って練習しておくのもおすすめです。

 窒息事故はたった数分で呼吸が停止してしまう可能性があるので「119番をしながら応急措置を行う」ことが大事です。

1歳未満の乳児には「胸部突き上げ法」と「背部叩打法」を繰り返す

【胸部突き上げ法】
救護者が膝を曲げ(椅子に座るのでも可)子どもを仰向けに寝かせて片手で体を支え、手のひらで後頭部をしっかり支えます。心肺蘇生法の胸部圧迫と同じ方法で圧迫しましょう。

【背部叩打法】
救護者が膝を曲げ(椅子に座るのでもから)子どもをうつ伏せにして、手のひらで顎をしっかり支えます。もう一方の手のひらの付け根で背中をしっかり叩きます。

1歳以上の乳幼児には「胸部突き上げ法」を行う

【胸部突き上げ法】
子どもの背後から両腕を回し、子どものみぞおちの下で片方の手を握り、拳にします。その手を腹部上方へ圧迫しましょう。

 年齢によって応急処置が変わってくるので、迷わないよう日々の訓練が大事になってきます。応急処置で窒息の原因となるものが取れた場合でも、念のため病院を受診しておきましょう。

 

女性と男の子

まとめ

 子どもの窒息事故は、いろんな場面の一瞬で起きることが分かったのではないでしょうか。普段の保育の中で危ないものはないか、どのような場面で窒息事故が起きやすいか考えながら行動すると良いですね。

 窒息事故はいつ起きてもおかしくない怖い事故なので、保育士間で応急処置の訓練をしたり知識を共有してくと安心できますよ。