保育の学び

【春分の日の由来】子どもにわかりやすい解説

 数多くある祝日のうちの一つである「春分の日」は、文字の通り春の訪れを感じるような日ですよね。祝日であることは知っているものの、どのような意味が込められているのかを知っている人は少ないのではないでしょうか。今回は春分の日の由来や、当日の過ごし方について簡単にお教えしていきます!

目次
春分の日とは?
春分の日はどう過ごす?
春分の日にちなんだ保育内容
まとめ

たんぽぽ

春分の日とは?

 春分の日は、法律によって定められた国民の祝日の一つです。どのような由来があるのか子どもたちに伝えられるように、しっかりと理解しておきましょう。

春分の日の起源と由来

 春分の日は「昼と夜の長さが同じになる日」で、この日を境に少しずつ昼の時間が長くなっていき、夜が短くなる、季節の節目となる日です。春分の日の「春分」とは「二十四節気」の一つです。この二十四節気とは、太陽の動きをもとに、一年を二十四分割した暦のことで、その時候ごとにふさわしい名前がつけられています。

 春分は二十四節気の中において、一年の始まりの季節であり、皇室の行事「春季皇霊祭(しゅんきこうりょうさい)」という祭日が名前の由来であるといわれています。子どもたちにわかりやすく説明するとしたら「自然をたたえ、生物をいつくしむ祝日」という点を押さえて、お話ししていくのが良いでしょう。

春分の日はいつ?

 春分の日は法律によってその年の「春分日」を採用するよう定められていますが、地球が太陽の周りを公転する関係で、太陽が春分点を通過する「春分日」の日付は年によって変わることがあります。毎年3月20日頃ですが、この日付は国立天文台が観測した結果「春分の日」に決定しているのです。

春分の日とお彼岸の関係性

 春分の日と同じように昼と夜の長さが同じ日である「秋分の日」は、春分の日と逆でその日を境に昼が短くなり夜が長くなっていきます。春分の日と秋分の日を中日として、前後3日を合わせた7日間を「お彼岸」といい、お墓参りする習慣ができました。

 お彼岸はご先祖さまに感謝を伝える期間といわれ、その期間に供養を行う風習があります。

 

春分の日はどう過ごす?

 春分の日の由来や時期を理解した上で、当日はどのように過ごすのが良いのでしょう?自然に触れられるような過ごし方をしたり、お彼岸の期間ということからお墓参りをする人も多いようです。

お墓参りに行く

 ご先祖さまの供養のため、春分の日にお墓参りに行くのも良いでしょう。普段バタバタと忙しく、なかなかお墓参りに行けない人や、秋分の日のお彼岸に帰省できない人は春分の日にお墓参りをしてみましょう。どうしても都合がつかず、お墓参りに行けない場合は仏壇に手を合わせるだけでも良いとされています。どんな形でもご先祖さまに感謝を伝える気持ちを忘れないようにしましょう。

ぼたもちを食べる

 お彼岸を代表とする食べ物の一つである「ぼたもち」は漢字で「牡丹餅」と書きます。春の花であることから、牡丹を模して作られ、そこから名前がつけられたと言われています。

 ぼたもちのあんこの原料となる赤い小豆に「魔除け」の効果があるといわれ、春分の日に食べられるようになりました。一般的に春分の日には「ぼたもち」を食べ、秋分の日には「おはぎ」を食べる習慣があります。

お墓参り

春分の日にちなんだ保育内容 

 春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ祝日」ということですが、保育の内容にも組み込んでいきたいですよね。祝日なので春分の日当日ではなく前日に、どのような日でお休みなのか伝えていきながら楽しく過ごせるような工夫をしていきましょう!

春の花を調べる

 少しずつ暖かくなり、春の訪れを感じることができる「春分の日」の時期には子どもたちと一緒に「春の花を調べる」ことをおすすめします。子どもたちに「春にはどんな花が咲くかな?」と聞いてみると「さくら!」「チューリップも咲くよね?」などとたくさんの声が上がるはず。子どもたちと一緒にどのような花が咲くのか、花の色の種類や、園で育てられるのかなどを調べて「手作り図鑑」を作るのも楽しめますよ。

春を感じる「絵本」の読み聞かせ 

子どもたちにとっても身近な教材とも言える「絵本」で、これから訪れる春をたのしみましょう。暖かな雰囲気で、優しい気持ちになれる絵本を2つご紹介します。

【ふうとはなとたんぽぽ 作・絵:いわむら かずお】
ふうとはなとたんぽぽ
野に生きる子うさぎの「ふう」と「はな」が驚きの発見と冒険の日々を描いた一冊です。草原で美しく可憐に咲くたんぽぽをみつけた2匹は、ひょんなことから自分たちの名前に込められた意味を知ることとなります。早く暖かくなって、可愛らしいたんぽぽに出会いたくなる絵本ですよ。

【はらっぱららら 作:鈴木 智子】
はらっぱららら
黄色いワンピースを着た女の子が、くまちゃんのぬいぐるみと一緒にお散歩をしています。すると、ちょうちょがひらひらと飛んできて、女の子の胸にとまり、素敵なブローチに!お花をくるくるわっかにして頭に乗せたら、可愛らしいティアラに変身!春のはらっぱには素敵なことばかりがおき、うきうきわくわくするような内容になっています。

まとめ

 春分の日の由来や、どう過ごすのか、春分の日にちなんだ保育内容についてお教えしてきました。祝日と理解していても、どのような意味が込められているのかまでは知らずに過ごしていた人も多いですよね。自然や生き物を大切にし、ご先祖さまにも感謝の気持ちを忘れず過ごすことが大切です。

 子どもたちと一緒に新しい季節を迎える喜びや楽しみを分かち合い、製作や絵本の読み聞かせなどを保育に活かしていきましょう!