乳児期からの癖で「指吸い」が治らないという子どもは多くいます。赤ちゃんの頃は指吸いを見守っていても、ある程度年齢が上がってくると「このまま治らないのかな?」「いつまで指吸いをしていても良いのだろう?」と不安に感じることもあるでしょう。
今回は指吸いに関してお話しするとともに、やめ方をご紹介していきます。
目次
>幼児期の「指吸い」が与える影響
>いつまで「指吸い」をしても良い?
>「指吸い」のやめ方は?
>まとめ
●幼児期の「指吸い」が与える影響
赤ちゃんの頃から行っていた「指吸い」が長引き、幼児期でもするようになると、様々な影響が出てくることが分かっています。
歯並びが悪くなる
3歳ごろまでに指吸いをやめることができたら歯並びに関しては悪影響は少ないと言えるのですが、3歳以降も指吸いをするようであれば歯並びに注意が必要です。上の前歯が傾斜して出っ歯になり、前歯で咬めなくなる可能性があります。
指吸いが長期化すると、吸う筋肉の影響により前歯だけでなく奥歯の歯並びも傾いてしまうので、気をつけましょう。
滑舌が悪くなる
指吸いが長期化した影響で歯並びが悪くなり、唇が閉じにくくなったことで鼻呼吸の習慣がつきづらくなる場合があります。そうなってしまうと口で呼吸をするようになり、会話をするときも特にさ行やた行などの発音がうまくできず、滑舌が悪くなってしまうのです。
幼児期の指吸いは将来的にも悪い影響が出てくる可能性があるということを理解することが大事です。
●いつまで「指吸い」しても良い?
指吸いが長引くことによる影響を知った上で、いつまでしても良いのか気になりますよね。一般的には「2歳半〜3歳までにやめられると良い」と考えられています。
指吸いをやめる時期は3歳頃まで
日本小児歯科学会によると、3歳頃までなら無理に指吸いをやめさせる必要はないと言われています。4歳まで指吸いが長期化している場合は、歯並びに影響が出てきてしまうので注意しましょう。2歳を過ぎたあたりでも指吸いをしている姿が見られたら、徐々にやめられるよう練習していくと良いですね。
指吸いの原因を考える
指吸いは、単に小さい頃からの癖になっていることが多いのですが、心理的な原因もあると言われています。子どもながらにストレスを感じている時や、遊ぶ機会がなく退屈をしているとき、入眠時など安心感を得たい時など、子供が指吸いをする場面は様々です。
どういった時に指吸いが出やすいのか、よく子供を見守りながら観察して原因を考えましょう。
●「指吸い」のやめ方は?
子どもの指吸いをやめる具体的な例をご紹介していきます。
「遊び」を見つけて積極的にコミニュケーションをとる
退屈してしまって遊びが見つけられずに指吸いをしてしまう場合は、指吸いよりも「遊び」に夢中になれるよう積極的に働きかけましょう。手を使って遊ぶおもちゃを一緒に楽しんだり、手を繋いでわらべうたや体操をしたりと、遊びに集中できる環境を作ってあげると良いですよ。
子どものストレスや不安材料を取り除く
3歳以降になると幼稚園や保育園に入園し、生活環境が大きく変わります。お友達との関わりの中で、少しずつ指吸いが減ることが期待できる時期でもあるのですが、その反面、新しい環境へのストレスで、今まで以上に指吸いに依存してしまう可能性もあります。
そういったときは、指吸いという行動に注目するのではなく、子どもがストレスに感じていることを取り除き、変化するか見守ることが大切です。
楽しみながら自然とやめられる環境を作る
3歳以降の子どもなら、指吸いが長引くことで起きる影響を話し、やめれるように練習していこう!と伝えれば理解できるようになります。指吸いをしなかった日にはカレンダーにシールを貼り、子どもが見てもわかるように「成功体験を積み重ねる」ことで自信にも繋がります。
寝る時に手を繋ぐ
入眠時に指吸いをする子は、寝る前に不安を感じやすいようです。暗いのが怖かったり、眠るのが怖かったりと不安があることで入眠時に安心しようと指吸いをしてしまいます。そのため、子どもが少しでも安心できるよう、寝るときは一緒に横になり、手を繋いで不安を取り除いてあげると良いでしょう。
無理矢理やめるのはNG!
指吸いをやめる方法はいくつかありますが、大前提として「無理やりやめさせる」「何度も注意して強くやめるよう伝える」ことはしないように気をつけてください。
子どもが指吸いをしているとついつい注意してしまいたくなりますよね。あくまでも自然に遊びに誘ったり、手を繋いだりとストレスにならないよう徐々に回数を減らしていくことを意識してみてください。
●まとめ
指吸いに関してのお話をしてきました。乳児期は指吸いをしていても特に影響はありませんが、3歳以降になると歯並びや滑舌などに悪影響が出てくると言われているので注意が必要です。指吸いは1日2日ですぐにやめられるものではないので、まずは指吸いをどんな場面でしているのか観察し、原因を見つけましょう。
自宅でやめる方法を試してみても改善しない場合は、歯科や小児科で相談してみると安心できますよ。ぜひ、参考にしてみてくださいね。