保育の学び

【子どもたちのケンカ】はどのように対処する?どこから介入すべき?

 保育の現場でよくあるトラブルの一つが「子どものケンカ」です。集団保育の中で、子どもたちはいろんな人と接し、自分の思い通りにいかないことや、相手の気持ちを考えることを学びます。些細なことでケンカは起きるのですが、どのように対処するのが良いのか迷うこともありますよね。どこから介入すべきなのか、子どもたちへのフォローの仕方など、わかりやすくお教えします!

目次
保育現場での子どものケンカ
子どもたちのケンカはどのように対処する?
どのタイミングでケンカの仲裁をする?
まとめ

保育現場での子どものケンカ

 保育をしていると子どものケンカは些細なことで起きます。ほぼ毎日と言っても過言ではないくらい、仲裁に入る場面が多くあることでしょう。
「ケンカ=悪いこと」ではなく、子どもたちが成長していく過程で大切な時間でもあるので、上手く対処していきたいですよね。

子どもはケンカすることで学ぶこともある

 子どもたちは「使いたいおもちゃを貸してもらえなかった」「嫌な言葉を言われた」など、様々な原因からケンカに発展します。
この時「自分と他者は違う考えを持っている」ということに徐々に気づくきっかけになるのです。

おもちゃの貸し借り一つでも、

「自分は今このおもちゃで遊びたい・・・」
→でも、他の子が使っていて遊べない・・・
→遊びたいから、他の子のおもちゃを取った・・・
→取られた子が怒って、おもちゃの取り合いになった・・・

といった流れのように、自分の要求が一番に通らないこともあるということを学ぶきっかけにもなります。ケンカすることは悪いことではなく、保育者の介入によって「学びの場」に変えていくのが望ましいでしょう。

 

子どもたちのケンカはどのように対処する?

 子どものケンカは年齢によって対処の仕方が変わってきます。0〜2歳児は、おもちゃの取り合いがケンカの理由のトップです。また、3歳以上児は会話が成立するようになってきたからこそ様々な理由でケンカが起こります。それぞれ適切な対処方法を考えてみましょう。

0歳児〜2歳児

 乳児と言われるこの時期は、おもちゃの取り合いがケンカの原因となることが多いです。まだ上手く言葉にできない年齢だからこそ起きるケンカともいえます。
このくらいの時期は「貸して」「いいよ」の流れを何度も教えてあげることが大事です。
もちろん先に使っている側が「まだ遊びたいな…」と思っている様子の場合は「あとでね」と言っても良いのです。貸して欲しがった子どもは貸してもらえなかったことに涙するでしょう。そこで、すかさず保育者は他のおもちゃに誘ってみたり気分転換が出来るよう促すことが一つの対処法と言えます。

3歳児以上のケンカの対処法

 会話が成立するようになってきた3歳以上児のケンカの対処法は「両方の話をしっかり聞く」ことが一番大切になります。
初めは、ケンカの原因を本人たちからそれぞれ聞きます。泣いていたり怒っていたり感情が昂っている時は落ち着くよう声をかけて、少しでも落ち着いた状態で話を聞くようにすると良いでしょう。
「〇〇くんの、言い方が嫌だった!」など、ケンカに発展してしまった理由は必ずあります。
お互いの気持ちを「そうだったんだね、教えてくれてありがとう」と一旦受け止めてから、
もう1人の子に「こうされたのが嫌だったみたい。〇〇くんは、どう思う?」とお互いの気持ちを伝え合う役割を保育者が担うことが大事です。

毎日の保育でケンカの対処法を見出していく

 年齢別にケンカの対処法を簡単にお話ししましたが、なによりも一番大事なことは「毎日の保育の中で、子どもたちの様子を見守り、対処法を見出していく」ことです。
ケンカしているその場だけをやり過ごすのではなく、日々の保育の中でその子その子の特性や、好きなこと、嫌なことを理解しておくだけで対処の仕方を見出すことができますよ。
子どもの喧嘩

どのタイミングでケンカの仲裁をする?

 子どもたちのケンカが始まってしまったら、どのタイミングで仲裁すべきなのか迷ってしまいますよね。見守りながらも「これはダメだ!」と思ったら、すぐに声をかけ仲裁しましょう。

手や口が出て怪我に繋がりそうな時

 子どもたちはケンカの中で上手く言葉にできない代わりに、手や口が出てしまい他者に怪我をさせてしまう場合があります。近くで見守り、手や口が出てしまいそうだな、と思った時にはケンカしている子ども同士を離して気持ちが落ち着けるよう声をかけましょう。ケンカを見守りつつ「これは危ない」と思った瞬間に、仲裁するべきです。

お互いが感情的になって話がまとまらない時

 ケンカの発端が何であれ、子どもたち同士だけでは話がまとまらなさそうな雰囲気になっていたら保育者が介入し、仲裁の手助けをしましょう。
会話ができるようになった幼児クラスの子でもケンカになってしまうと、上手く自分の気持ちを伝えられなかったり、ケンカ相手の気持ちに気づけないこともあります。ケンカがヒートアップして仲直りまでが難しそうな時は、そっと寄り添うことが大事です。

まとめ

 子どものケンカはほぼ毎日と言って良いほど起こるものですが、上手く対処するのはとても難しいですよね。どの年齢にも言えるのは「子どもの気持ちを一度受け止める」ことが大切です。自分の気持ちをわかってくれる、と理解することで子どもたちは保育者を信頼し、何かあった時に助けを求めてくれます。

 日々の保育で子どもたちの様子をしっかり見守り、どのような対処法が最適なのか考えておくと、いざという時落ち着いた対応をすることができますよ。