保育の学び

園児が歌詞を覚えてくれない!うまく教えられるヒミツの方法

目次
園児が歌詞を覚えてくれない!? うまく教えられるヒミツの方法とは?
園児が歌詞を覚える5つのテクニック
園児はどうやって歌詞を覚えるの?
園児に歌を教える意味とは?
【年齢別】歌を選ぶ際のポイント
0〜1歳 鳴り物や手遊びができる歌
2〜3歳 ちょっと動きが入った手遊び歌
4〜5歳 全身を動かすことや、楽器演奏もできる歌
まとめ

 

 保育士として園児に歌を教える機会は多いと思います。特に発表会や卒園シーズンが近づくとなおさらです。『園児が歌詞を覚えてくれなくて悩んだ経験はありませんか?』 ここでは歌をうまく教えられるヒミツの方法や、歌を選ぶ際のポイントなどをまとめてみました。これを読んで、歌詞をしっかり覚えてもらえる保育士に一歩近づきましょう。

園児が歌詞を覚えてくれない!?うまく教えられる方法 

 それは保育士が早く覚えさせようと焦らないことです。
早く覚えさせようとする保育士の行動には必死さや、こわい表情がでてしまいます。歌は楽しい、みんなでうたうと嬉しい、と教えることで園児の心をキャッチできるのです。
ぜひ、焦らず楽しい気持ちで、歌をおしえていきましょう。

 

園児が歌詞を覚える5つのテクニック

具体的には以下5つのテクニックが有効です。

①:まずはサビを楽しく教える
園児は印象的なフレーズから覚えていきます。大人は初めから歌詞を覚えようとするのとは対照的ですね。まずは、サビを覚えるところからはじめましょう。その後で、サビの前後、や最初からという順に教えていきます。1番ができてから2番に進めば完璧です。

②:曲や歌詞の意味はとりあえず無視
「この歌いいな」「歌ったら楽しいな」と思うことで園児は歌詞を覚えはじめます。保育士は「意味を知ったら歌詞を覚えやすそう」「まずは曲について教えよう」と思うかもしれません。でもそれは歌詞を覚えるには遠回りです。「なんだかこの曲めんどくさい」「なにか覚えないといけないの?」と印象がわるくなる可能性があります。まずは歌の楽しさを園児に伝えることが大切です。

③:紙芝居やイラストで歌のイメージを伝える
歌のイメージを伝えることは、歌に興味を持つきっかけになります。興味をもつことで歌詞も自然と覚えたくなるのではないでしょうか? 曲にまつわる紙芝居があればもちろんのこと、歌いながらペープザートを使うことも効果的です。特に年齢の低い園児には、見て楽しめることはとても大切です。歌詞を覚えるという意味でも、イラストをみることで歌詞もわかりやすくなりますね。

④:園児にあった歌を選曲する
子どもが自然にきれいな声で発生できるのは「ミファソラ」の音階と言われています。年齢にあった曲を選ぶことで園児も自然に発声することができますね。また手遊びなどがある歌もおすすめです。この記事には年齢別、曲を選ぶポイントをのせていますので、そちらも参考になさってくださいね。

⑤:保育士も歌を楽しめるように工夫する
「ピアノが苦手で、歌う余裕がない」「音痴だからできればうたいたくない」「子どものペースに合わせてうたうのが苦手」という保育士が多いのではないでしょうか? 勤め先の園にもよりますが、ぜひCDやDVDはもちろん、動画なども活用していきましょう。ピアノや歌の上手な先生に協力してもらって音源を撮っておくのもよい方法です。園児とうたうとき、まずは保育士もうたうことを楽しんで。歌の音程は多少外れていても、はっきりと声をだすことで歌詞も伝わりやすくなります。そんな保育士をみて「大好きな先生が楽しそうだからうたいたいな」「この先生と一緒ならうたえそう」と思ってもらえるはずですよ。

手拍子する保育士

園児はどうやって歌詞を覚えるの?

 園児は興味のあるところから覚えていきます。それからそれ以外の場所を覚えることがほとんどです。大人は歌のはじめから覚えようとするので大きく違いますね。なので、園児は覚えやすいメロディやリズム、知っている好きな単語があると、すぐに覚えてしまうんですね。

 

園児に歌を教える意味やねらい

 園児に歌を教える意味やねらいはおもに4つあります。

歌う心地よさを味わう
音楽に合わせて体を動かすことはもちろん、うたうことで運動にもなります。うたうことで心も身体もすっきりするのは大人と一緒なんですね。

友だちとうたうことで、社会性や協調性が身に付く
園で歌をうたうときは、同じクラスの園児たちとうたことがほとんどです。みんなと一緒にうたうことで集団の中にいることを実感します。歌をうたうことは、周囲と合わせることの大切さや、一緒にすることの楽しさを知る機会になっているのですね。

歌詞の面白さやリズムの楽しさを知る
歌詞の内容をイメージすることで、想像力がみにつきます。またリズム感も身に付きます。メロディと合わせて歌詞を覚えることで右脳が刺激されます。芸術にかかわる能力をつかさどる右脳の発達には欠かせません。園児の発達にも歌は大切なのですね。

歌を通して行事に親しみ、季節感を育てる。
日本は季節感を大切にする風潮があります。その季節感を育てるのに歌はとてもよい教材です。昔からうたい継がれている曲は耳馴染みもよく、季節のイメージも持ちやすいのでないでしょうか? ぜひ季節に合わせた歌を選んで、行事や季節感を育てていきたいですね。

掛け声する女性

【年齢別】歌を選ぶ際のポイント

 ここでは年齢別に歌を選ぶポイントをあげています。
「どんな歌だったら歌詞を覚えやすいの?」
「色々な曲があって正直悩む」
「年齢的にあっている曲はどんなのがあるの?」
そんなみなさんの参考になりますように。

 

0〜1歳 鳴り物や手遊びができる歌

 まだまだはっきりと言葉を言うことがむずかしい年齢です。ですが、この年齢は歌にあわせて体を動かすことに意味があります。ニコニコと嬉しそうに体を揺らすだけでもOKです。ぜひ繰り返しのある、楽しい曲を選びましょう。手作りのマラカスなど簡単な鳴り物を持つのもおすすめですよ。
例:おもちゃのチャチャチャ、どんぐりころころなど

2歳〜3歳 ちょっと動きが入った手遊び歌

 言葉がだいぶ話せるようになっていますが、まだまだうたうことに集中してしまう年齢です。ちょっと動きの入った手遊び歌が園児には人気です。うたいやすい歌であれば、自然と歌詞も覚えてしまいます。イメージしやすい身近な歌を選ぶといいでしょう。
例:しあわせなら手をたたこう、お弁当のうた

4〜5歳 全身を動かすことや、楽器演奏もできる歌

 歌をうたうことにも慣れて、歌詞もだいぶ覚えられるようになります。他の年齢同様、うたう楽しみが歌詞を覚えるヒントです。ぜひ紙芝居やペープザートなどをつかって曲のイメージをつたえていきましょう。年長さんなどは手話付きの歌もおすすめですよ。
例:アブラハムの子、世界にひとつだけの花

まとめ

 園児が歌を覚えるには保育士が余裕をもって楽しく取り組むことに、うまく教えられるヒミツが隠されていました。また、うまく覚えるためのポイント5つが実際に取り組む際には役立つのではないでしょうか?
保育士と歌はどうしても切り離せない存在同士。この記事をよんだあなたが、素敵な保育士としてワンランクアップできますように。