保育の学び

【バレンタインの由来】子どもにもわかる解説

 2月が近づくと可愛らしいラッピング材料や甘い匂いのするチョコレートをよく見かけるようになりますよね。2月14日のバレンタインは「大切な日にチョコレートを渡す」というイメージのある日ですが、子どもたちに説明するにはどう伝えたら良いのか迷う方も多いのではないでしょうか。

 今回はバレンタインとはどういう日なのか、どうしてチョコレートをあげるのかを分かりやすくお教えすると共に、バレンタインに関する楽しいクラス活動をご紹介していきます。

目次
バレンタインとはどういう日?
どうしてチョコレートをあげるの?
バレンタインを楽しむクラス活動をご紹介
まとめ

チョコを作る子ども

バレンタインとはどういう日?

 そもそも「バレンタイン」とはローマ帝国時代を生きたキリスト教司祭「ウァレンティヌス」の名前からきています。当時のローマ帝国では、若い兵士の結婚が禁止されていたのですが、その意見に反対していたウァレンティヌスは内緒で若い兵士たちの結婚を執り行うようになりました。

 このことをローマ皇帝が知り、激怒し、2月14日に処刑してしまったのです。後世の人々が、ウァレンティヌスの行動を讃え「聖バレンタイン」という聖人として祈り、処刑された2月14日をお祝いすることになりました。これらがバレンタインの起源と言われています。

バレンタインってなに?

 子どもたちに「バレンタインってなに?」と聞かれたときには、わかりやすい言葉で簡潔に教えます。また、戦争していた時代の詳しい話やウァレンティヌスが処刑された話など人の死に関わる話は避けるようにしましょう。

 歴史を交えて教えてあげたい場合は「昔々、結婚を禁止されている国があって、その国では結婚したくてもできなくて困ってる人がたくさんいたの。そんなときに、みんなが結婚できるように内緒で結婚式をあげていたのがバレンタインさんっていう神父さんでね。2月14日は、バレンタインさんに感謝して大切な人にチョコレートをあげようっていう日にしたんだよ」と教えてあげましょう。

誰にチョコレートをあげるの?

 バレンタインとは、大切な人にチョコレートを渡す日とわかったところで「誰にあげるの?」「好きな人にあげるの?」と様々な疑問が出てくることでしょう。子どもたちには「いつもありがとう、大好きだよっていう気持ちを伝えたい人なら誰でも良いんだよ。お父さんやお母さんでも良いし、仲良しのお友達でも良いんだよ」と教えてあげると良いですね。

 

どうしてチョコレートをあげるの?

 バレンタインと聞くと、好きな人にチョコレートをあげる日と考える人が多いですが、前述した通り気持ちを伝えたい相手は好きな人に限らないですよね。お世話になっている人に「義理チョコ」を渡したり、大好きな友達に「友チョコ」を渡したりと、多様化しています。そもそも、なぜバレンタインにチョコレートなのか知っておきましょう。

バレンタインに女性から男性にチョコレートをあげるのは日本だけ

 日本のバレンタインデーは女性から男性にチョコレートを渡すことが定着していますが、実は日本独自のものなのです。バレンタイン発祥の地であるイタリアでは恋人同士でプレゼントを贈りあったり、食事に行ったりと「恋人たちの日」として過ごしているんだとか。

 日本でチョコレートを贈るようになった理由には諸説あるのですが、チョコレートメーカーが1950年代後半に始めたキャンペーンがきっかけとされている説が有力です。当時、女性から男性に想いを伝える日としてチャンスが与えられた点から、バレンタイン文化が定着したといわれています。

どうしてチョコレートをあげるの?

 子どもたちへの説明としては「大切な人になにか贈りたいなと考えたときに、色んな人がどんなのが良いのかな?って考えて、甘いチョコレートなら喜んでもらえるかも!と思ってチョコレートを渡すようになったんだよ。絶対チョコレートじゃなきゃダメってことではなくて、クッキーやケーキでも渡す相手が喜びそうなものを贈れたら良いね」とお話ししてあげましょう。

チョコレート

バレンタインを楽しむクラス活動をご紹介 

 バレンタインを楽しめるよう、園の活動に取り入れてみましょう。子ども達からも、本物のチョコレートを作りたい!という声が上がりますよ。

0〜2歳児 

【手形付きなんちゃってチョコレート】
乳児クラスのバレンタイン製作で楽しめるのが「紙粘土」を使ったなんちゃってチョコレートです。紙粘土に子どもの手型をぎゅっと押して、手型が中心に来るよう紙粘土をハート形にします。紙粘土が乾いたら、絵の具で色を塗って可愛らしい「手型付きなんちゃってチョコレート」の完成です!

【ハート型写真飾り】
色画用紙をハートに切って、子どもたちには指スタンプで装飾をしてもらいます。可愛らしい子どもの写真を撮って、装飾したハート型の画用紙に写真を飾りましょう。いつもありがとうの言葉を添えると誰もが喜ぶプレゼント製作になります。

3〜5歳児 

【チョコレート屋さんごっこ】
新聞紙や色画用紙で作ったチョコレートを「いらっしゃいませー!」と販売したり、お買い物に行ったりとごっこ遊びを楽しむことができます。チョコレート一つにしても「ハート型じゃないものもあるよね?」「チョコレートケーキも欲しい!」「チョコレートのアイスもあるよ!」など子どもたちの意見を取り入れながら、いろんなチョコレートを楽しめるお店屋さんごっこ遊びをしてみましょう。

【ハート型メッセージカード】
色画用紙をハート形に切って、クレヨンでお絵描きをしたり模様を描いたり、子どもたち一人一人の特別なカードを作るのも良いですね。幼児クラスはハサミを使える子が増えてくるので、切り取り線を書いておき、子どもたちが自分でハート型に切って作ってみましょう。

【絵本:こねこのチョコレート】
こねこのチョコレート
作:B・K・ウィルソン 絵:大社 玲子 訳:小林 いづみ
弟にプレゼントするため、チョコレートを買った4才のジェニー。こねこのチョコレートを買ったのですが、食べちゃダメ!とわかっていながらも、どうしてもチョコレートが気になりひとつだけ食べてしまいます。そこからは、ドキドキのストーリーで「どうなってしまうんだろう?」と心配になるのですが、最後は家族の優しさにホッとできる内容になっています。

 

まとめ

 バレンタインはどういう日なのか、簡単にご紹介してきました。バレンタイン自体は処刑されてしまったキリスト教司祭のことですが、そのまま伝えるには子どもたちには難しすぎますよね。大切な人にありがとうの気持ちをこめてチョコレートを渡す日だよと簡潔にわかりやすく伝え、クラス活動でも製作や絵本を楽しんでみてください!