保育の学び

子どもの便秘の改善策

  近年、子どもの「便秘」に悩んでいる親が多いと言われています。まだうまく言葉を話せない月齢の子の場合、機嫌が悪くグズグズしていることが多いのは何故だろう?と思ったら「便秘」が原因だったということもあります。今回は子どもの「便秘」について、どうしてなってしまうのかや改善策をわかりやすくお教えしていきます。

目次
子どもの便秘の症状と原因
便秘の改善策は?
まとめ

子どもの便秘の原因

 便秘の子供が増えているという近年、まずはどういった症状が「便秘」といわれるのか改めて確認しておくことが大事です。何日以上便が出ていなかったら便秘というのか、放置するとどうなるのかも合わせて知っておきましょう。

子どもの便秘の症状は?

 子どもの便秘の症状としては「トイレに行きたがらない」「排便回数が週3回未満」「排便時に痛がる」「お腹が張っている」「機嫌が悪く元気がない」「食欲がない」といった症状が見られます。普段の生活の中で、いくつか当てはまるものがあれば便秘を疑いましょう。

便秘を放置するとどうなる?

 子どもの便秘は放置しておくと、大人と同様どんどんと悪化していきます。正しい排便機能や方法を身につけることができず、大人になっても便秘に悩まされることが多くなるでしょう。正しい排便習慣を身につけないと、子どもはイライラしやすかったり多動など、精神状態に悪影響を及ぼすと言われています。便秘は放置せず、しっかりと対処してあげることが大事です。

子どもの便秘の原因は?

 子どもの便秘の原因は様々ですが、多くの場合運動や食事などの生活習慣の影響が大きいと考えられます。年齢によっても原因が異なり、乳児期は母乳やミルクの量が足りなかったり、卒乳したことによる水分不足から便秘になることも多いです。幼児期は食事のバランスとして、食物繊維の摂取量が少なかったり、運動不足などの習慣の乱れから便秘がちになる子が多いので気をつけなくてはいけません。幼児期の中でもトイレトレーニングを行う時期はトイレでの排便が怖くて我慢してしまい、硬くなった便を排出するときに痛さを感じ、さらに便秘になってしまうという場合もあるので注意が必要です。

毎日排便していても便秘の可能性がある

 毎日排便しているから便秘知らず!と思っている方もいるかもしれませんが、排便するときに痛みがあったり、スッキリと排便できていない場合は便秘の可能性があります。便の形や柔らかさはいわゆる「バナナ状」のものが理想で、カチカチの硬い便だとスッキリできていないこともあります。そのため、子どもの便の状態を知ることが大切です。

 

手洗う女の子

便秘の解決策は?

 子どもの便秘の原因がわかったところで、解決策をいくつかお教えしていきます。自宅でできることもあるので、まずは様子を見ながら改善を図りましょう。

意図的に水分補給と食物繊維を摂る

 まずは水分をしっかり摂ることから始めます。遊びに夢中になっていると意外と水分を摂っていないことも多いです。子どもたちは大人よりも汗をかきやすく、水分不足に陥りやすいので給水タイムを設けておくと良いでしょう。食事の面では食物繊維を多く含む食材を意識して摂り入れると、改善に繋がります。りんごやバナナ、さつまいもや納豆などがおすすめですよ。

乳児期にはお腹のマッサージと綿棒浣腸

 乳児期には赤ちゃんのおへそあたりを「の」の字を描くように手のひらでマッサージしてあげましょう。腸の動きを促進しつつ、コミュニケーションも取れます。また、排便のコツがつかめていない場合もあるので排便時の様子をしっかり確認します。息んで排便に苦労している様子でも、少し待って柔らかめの便が出たら無理に綿棒浣腸はせず、様子を見ます。息んでもなかなか便が出なかったり、コロコロの硬い便が出る場合は便秘の可能性があるため、やさしく綿棒浣腸をします。綿棒浣腸は綿棒にオイルやワセリンを塗り、赤ちゃんの両足を持ち上げ、ゆっくりとねじるように肛門の入り口1〜2cmほどに綿棒を入れて、内側をなぞります。早ければすぐに便が出る場合もあります。出ない場合は、マッサージをしつつ様子を見ましょう。

トイレトレーニング中に正しい排便方法を身につける

 正しい排便方法を身につけるために重要なのが、踏ん張るための「踏み台」です。小さな子どもはトイレに座っても足がつかず、上手く踏ん張ることができません。お腹に力を入れる姿勢が取りづらいため、なかなか排便がうまくできないのです。子どものちょうど良い高さの踏み台を用意し、踏ん張りやすくしてあげましょう。

なかなか治らない場合は受診する

 自宅でのケアを試してみても、なかなか治らない場合は小児科を受診しましょう。子どもの便秘での受診はよくあることなので、受診する際には「何日便が出ていないのか」「出た便はどのような状態か」「自宅でのケア方法」を伝えます。お腹の張り具合を見て、浣腸の処置をしてもらったら数分後には排便できるでしょう。便を出しやすくする薬を処方してもらうこともできるので、不安な場合は迷わず受診してくださいね。

トイレ

まとめ

 子どもの便秘についてお話をしてきました。水分不足や食物繊維が足りないことで起こりやすい便秘ですが、自宅でできるケア方法もいくつかあるとわかったのではないでしょうか。子どもの様子を見つつ、症状が長く続き辛そうな場合は受診するようにしましょう。改めて生活習慣を見直し、快適に過ごせるよう気を付けて行けたら良いですね。