3月に入ると、少しずつ春の訪れを感じることができる行事の「ひな祭り」がやってきます。子どもたちが「あかりをつけましょぼんぼりに♪」と楽しそうに歌っている姿も見られますよね。
雛人形を飾り当たり前のように過ごしている「ひな祭り」の日には、どういった意味が込められているのか知らない人も多いでしょう。ここではひな祭りの由来や、行事の意味、保育に使えるひな祭りに関する絵本などを紹介していきます。
目次
>ひな祭りの由来は?行事の意味はある?
>ひな祭りになぜ雛人形を飾るの?どうやって過ごす日?
>保育で使えるひな祭りに関する絵本
>まとめ
●ひな祭りの由来は?行事の意味はある?
3月3日のひな祭りは、色遣いも鮮やかで春らしい色合いが多く、見ているだけでわくわくしますよね。よく「女の子のお祝い」と言われるひな祭りですが、改めてどういった行事なのか知っておきましょう。
ひな祭りの由来は?
ひな祭りの由来は諸説ありますが、中国の五節句のうちのひとつ「上巳(じょうし)の節句」が日本に伝えられたものだという説があります。この上巳とは、3月のはじめの巳(み)の日のことを指し、季節の節目となる節句の頃は、邪気が入りやすいと言われていたことから、上巳には厄や邪気を払う行事が行われていました。
ひな祭りは「桃の節句」と呼ばれることもありますが、五節句ではその月の季節の植物が飾られており、3月は桃の花が飾られていたため「桃の節句」と言われるようになりました。
ひな祭りの行事の意味は?どう子どもに伝える?
ひな祭りは「女の子の健やかな成長を願う」行事です。園で子どもたちから「ひな祭りって何?」「どういうことをするの?」といった声が上がるかもしれません。子どもたちには「子どもたちの健康を願ってお祝いする日だよ」と簡潔にわかりやすく伝えてあげましょう。
ひな祭りは「女の子」のお祝いとされていますが、園では女の子だけでなく男の子の成長も願う日だよ、ということを伝えることが大事です。
●ひな祭りになぜ雛人形を飾るの?どうやって過ごす日?
ひな祭りに合わせて飾られる「雛人形」ですが、どうして飾られるようになったのでしょう。園でも雛人形を飾っているところが多いですが、どういった経緯で雛人形を飾ることになったのかお教えしていきます。
雛人形の始まりは「流し雛」
日本は古くから、藁や紙で作った人形に自身の穢れや災いを移し、川や海に流す風習がありました。平安時代にそれにならって紙で雛人形を作り、病気や怪我などの悪いものを持っていってもらい、川に流す「流し雛」をしていたのが雛人形の始まりです。
人形が少しずつ立派になり、室町時代では美しい雛人形を飾り、お供物をしてお祝いをするようになりました。現在は素敵な雛人形を飾っている家庭が一般的ですが、昔からの風習を大切にしている地域では、今でも流し雛を行なっているところもあるようです。
ひな祭りはどうやって過ごす?
ひな祭りの日は、雛人形や桃の花を飾ってお祝いの食べ物を食べる家庭が多いです。園では「うれしいひなまつり」の歌を歌ったり、製作を楽しむことができるでしょう。
食育の一環としてひな祭りの日には「ちらし寿司」や「ひなあられ」が給食で出てくる園もあります。子どもの健やかな成長を祈りながら、楽しい一日を過ごせるよう保育内容を考えていけたら良いですね。
●保育で使えるひな祭りに関する絵本
ひな祭りの行事の由来や、雛人形に関しての理解を深めるために「絵本」を通して、子どもたちに伝えていきましょう。
柔らかく可愛らしいタッチの絵が印象的なものや、大人でも知らなかった!と改めて学ぶことができる絵本もありますよ。
【ひなまつりにおひなさまをかざるわけ 作:瀬尾 七重 絵:岡本 順】
現在は可愛らしく華々しい雛人形ですが、昔は木で作られた粗末なものだったということに子どもたちは驚くはず。ひなまつりの由来を知ることができ、大人でも「そういうことだったのか!」と改めて学ぶことができる一冊です。子どもの健康を祈り、たくさんの愛に溢れた日が「ひなまつり」だと子どもたちにも教えていきたいですね。
【おひなまつりのちらしずし 作:平野 恵理子】
きっちりと隅々まで「ちらしずし」の作り方が描かれているので、子どもだけでなく大人も参考になる内容の一冊です。ひなまつりにはちらしずしを食べるという家庭が多いと思いますが、今年のひなまつりはこの絵本の主人公「なおネェ」が作る!ということになり、弟のノブは心配でたまりません。お母さんの指導のもと、なおネェのちらしずし作りが始まります。読み終わったら「ちらしずし作ってみたいなぁ」という声が上がること間違いなしです!
●まとめ
ひな祭りの行事の意味や由来、雛人形に関してのお話をしてきました。ひな祭りは「女の子の健やかな成長を願う日」というのが大きな意味合いではありますが、園でのお話の中では女の子だけでなく男の子の成長も願っていることをしっかり伝えてあげましょう。
当たり前のように飾っている雛人形にも意味があることを知ると、一段と大切にしようという気持ちになりますよね。普段はあまり食べることのない「ちらしずし」や「ひなあられ」を食べて、素敵なひな祭りを過ごしましょう!