保育士としての仕事は子どもたちの相手だけでなく、保護者対応も大切な仕事です。近年「モンスターペアレント」と呼ばれる保護者も多い中、信頼関係をどのように築いていくのが最適なのかが保育業界でも重要視されてきています。今回は保護者との信頼関係づくりのポイントを中心にわかりやすくお教えしていきます。
目次
>保護者との信頼関係は必要?
>保護者との信頼関係づくりのポイント
>まとめ
●保育者との信頼関係は必要?
日々の保育業務に加えて保護者の対応を行うとなると、手一杯になってしまう人も多いですよね。ですが、子どもたちの成長を見守り、園生活を豊かにするためにも、保護者との連携は必要不可欠です。保育士と保護者の間に信頼関係が築けていないと、トラブルが起きやすいので注意しましょう。
園生活を送る上で、家庭での様子を知ることが必須
朝、子どもたちが登園するときには「体調かわりないですか?」など簡単に保護者に声をかけますよね。保育士が見ている子どもたちはあくまでも「生活の一部分」でしかなく、家庭での様子を知らないままだと、園内で問題が起きたときに原因がわからず困ってしまいます。
例えば、元気がない様子の子どもに「寝不足かな?」「朝食食べてるかな?」「体調不良かな?」と考えられる原因をあげますが、家庭での様子を知らないと、どのように対応するべきかわからなくなってしまいます。家庭との連携を図るために、信頼関係をしっかり築いていかなくてはなりません。
保護者は他人に大事な子どもを預ける不安がある
保育士は保育のプロと分かっていても、保護者としては「知らない他人に子どもを預ける」ということに少なからず抵抗があることを、保育士側は理解しておきましょう。大切な我が子の命を預けるのは誰だって不安ですよね。
園内でどうやって過ごしているのか、子どもは不安がっていないかなど、保護者は常に子どもの心配をしています。安心してもらうためにも、保護者との信頼関係を築きながら園での様子を伝えていくことが大事です。
●保護者との信頼関係づくりのポイント
保護者との信頼関係を築く上で、大切なポイントがいくつかあります。新年度など、保護者の方に挨拶をする機会が増える時期には意識して対応するようにしましょう。
基本的な挨拶や感謝をしっかり行う
まずは基本的な「挨拶」をしっかり行いましょう。子どもだけでなく、保護者側も「どんな先生がいるんだろう?」と不安に思っているときは、笑顔で明るく挨拶をされるとホッとしますよね。
また、保護者に何かお願いをした時などは「忙しい中、ご用意いただきありがとうございます」などの感謝の気持ちも伝えましょう。細かい部分ではありますが、保護者の方に好印象を持ってもらうためにも大切にしていきたいポイントです。
子どもの成長した部分や感動したエピソードを伝える
保護者との信頼関係を築く上で「子どもの成長を伝える」ことは、必要不可欠です。園ではどのように過ごしているのか、お友達とはどのように遊んでいるのか、お迎えの時間や連絡ノートを使って詳しく伝えていきましょう。
伝える内容も「今日は公園に行って、遊具で遊んできました」だけでなく「今日は公園に行き、〇〇くんは仲良しの△△ちゃんを誘って、手を繋ぎながら遊んでいる姿が可愛らしかったです」など様子が浮かぶような詳しいエピソードを交えると、保護者との会話も盛り上がり「しっかりと子どもを見てくれているんだな」という信頼関係を築く一歩となります。
保護者の体調や変化にも一声かける
連日仕事が忙しく、お迎えが遅くなってしまいがちな保護者の方や、子どもの体調不良が続いて看病疲れが見える場合なども「お母さんも体調大丈夫ですか?」と気にかける一声を忘れないようにしましょう。
中には、仕事と育児で気持ちがいっぱいいっぱいになってしまっている保護者の方もいます。顔を合わせたときに「今日は少し元気がないかな?」と感じられたら「何かあったらお手伝いするので、気軽に声かけてくださいね」と声をかけておくと、保護者側も保育士を頼りにして良いのかな?という気持ちになりますよ。
ミスや子どもの怪我などは真摯に対応する
保育中、どんなに注意していても子どもが怪我をしてしまったら、保護者の方にしっかりと謝罪をします。どのような場面で起きてしまったのか、園でどのような対応をしたのかなど、わかりやすく伝え謝罪することが大切です。
怪我をさせてしまった理由や状況を曖昧にすると、保護者は園側に対して不信感を抱くので、信頼してもらうためにも嘘偽りなく伝え、真摯に対応しましょう。
対応の難しい保護者は園内の保育士で共有する
保護者の方にも色んな方がいます。丁寧な対応を心がけても、園としては無理な対応をお願いされたり、園内の約束を守ってくれないマナーの悪い一部の保護者がいるのも事実です。そういった保護者は園内の保育士で共有し、対応に気をつけましょう。担当保育士では対応しきれない場合は、主任や園長などに助けてもらうことも考えておくことが大切です。
●まとめ
保護者との信頼関係づくりに関してお話をしてきました。大切な子どもを預ける保護者の方は、保育士が思っているよりも不安に感じていることが多いです。安心してもらうためにも、子どもの様子を詳しく伝え、些細なことでも声をかけるようにしましょう。
基本的な明るい挨拶や感謝の気持ちを忘れずに接していたら、必ず信頼関係を築いていくことができますよ。大事なポイントを意識して、過ごしてみてくださいね。