保育の学び

どうすればいいの?歩き食べと遊び食べの対応

  食事に関する悩みは、子どもと接していく中でどのように対応したら良いのか迷うシーンのひとつです。なかでも「じっと座ることができず歩き食べをしている」と言った悩み「食事中遊び始めてしまって困っている」という声をよく聞きます。

 ここでは歩き食べや遊び食べが好ましくない理由や、どのように対応したら良いのかをお教えします!

目次
子どもにとっては食事時間も学びの時間
「歩き食べ」の理由は?対応方法を考える
「遊び食べ」の理由は?対応方法を考える
まとめ

子どもにとっては食事時間も学びの時間

 園では子どもたちがみんな揃って「いただきます」と給食を食べ始めます。食事はお腹を満たす健康の第一歩でもありますが、それ以外にもたくさんのことを学ぶ場でもあります。

誰かと一緒に食事を「楽しむ」ことの大切さを知る

 近年子どもの「孤食問題」が目立ってきていますよね。共働き世帯が多くなってきたことで、子ども1人で食事をすることも増えてきたことが要因ですが、保育園に通う子どもたちは「一緒に同じ食事を楽しむ」ということを給食の時間で感じ、学んでいきます。

 食事を楽しい時間と感じることができると食に関しても積極的になりますし、お友達と一緒だからこそ苦手なものも頑張れる!と成長するきっかけにもなる大切な時間と言えます。

食事に関する基本的なマナーを身につける

 食事に関するマナーは幼児期だけでなく、大人になってからも知っておかなくてはいけない事項です。箸の持ち方や、茶碗の扱い方など幼児期から身につけておくことで大人になってからも自然に振る舞うことができます。小さな子どもたちでも「フォークを人に向けない」「お椀はしっかり持つ」など何度も教えることでマナーを身につけることができますよ。

 

食事中に泣く子ども
 

「歩き食べ」の理由は?対応方法を考える

 食事中の悩みで多い「歩き食べ」は、どのような子でも起こり得る行動です。ですがいくつかのポイントを押さえておくと、歩き食べが落ち着いて食事に集中出来る様になってきます。どのように対応するのが良いのか考えてみましょう。

「歩き食べ」は喉詰まりの原因にもなるので危険

 口の中に食べ物が入った状態で歩き出してしまうと、ちょっとした拍子で食べ物が喉に詰まってしまうこともあります。喉詰まりから窒息の可能性が高まるので、歩き食べはしないように何度も声をかけましょう。

食事環境を整え、見直す

 まずは歩き食べをしてしまう原因を考えましょう。食事環境は「落ち着いて食事ができる」環境になっているか見直してみてください。子供の座る位置からおもちゃが視界に入る、テレビがついている、大人が歩き回っている、など落ち着かない理由があるかもしれません。

 また、子どもが使用しているイスやテーブルも合っているか確認しましょう。椅子が座りづらかったりテーブルの高さがあっていなかったり不具合がある可能性もあるので見直すことが大事です。

子どもが歩き出したら「食事をやめる」

 子どもの歩き食べは、初めは食べていたのに少し時間が経ったら歩き出してしまい「食べる→歩き回る→食べる→歩き回る」といった流れになってしまうパターンが多いです。まず、食事を始める前に「椅子から離れたらごちそうさまにするからね」と伝えておきます。それでも食事中歩き出したら「ごちそうさまするよ」と食事を下げましょう。子どもは歩きながらも食べさせてくれるとわかると、何度も歩き食べをします。
 食事の摂取量が気になる部分もあるかとは思いますが「椅子から離れたらご飯はおしまい」というルールを理解できるよう、根気よく対応していくことが大切です。

 

ブロッコリーを食べる子ども

「遊び食べ」の理由は?対応方法を考える

 子どもの歩き食べと同じくらい悩みのタネとして声が上がるのが「遊び食べ」です。遊び食べは早いと1歳前ぐらいから始まりますが、どこまでが遊び食べなのか、どう対応したら良いのか難しい点もあります。

食事の感触を学んでいる場合もある

 乳児期の子どもに多い遊び食べとして「食事を握ってぐちゃぐちゃにしたり、ポイっと落とす」といったものがあります。一見食べ物で遊んでいるようにも見えますが、このような場合は「食事の感触」を学んでいると考えても良いでしょう。握ったら形が変わった、触ってみたら柔らかい、手を離してみたら下に落ちたなど、乳児期の子どもにとっては食事一つでも学ぶ時間になっているのです。

幼児期の遊び食べは好き嫌いに関係していることも

 幼児期になってくると手で握ったり落としたりなどの遊び食べは減ってきますが、代わりにスプーンでぐちゃぐちゃにしたけど食べない、おかずをごちゃ混ぜにして遊ぶ、などの行動が見られます。このような場合は「食事の好き嫌い」が関係していることもあります。苦手だからこそ、どうやって食べたら良いのかわからずぐちゃぐちゃにしてしまう、ということがあるようです。好き嫌いに関しての遊び食べの場合は「苦手でも食べ物で遊ばないこと」を何度も教えるのと同時に「どう食べたら良いのか悩んだら声をかけてね」と伝えることが大切です。

遊び食べが始まったら時間で区切り、お楽しみ時間を設ける

 どの年齢でも遊び食べが始まってしまったら、どのタイミングでごちそうさまをするか迷いますよね。遊び食べが始まったら「時計の針が7までには食べ終われるように頑張ろう!」と具体的な終了時間を設けると、メリハリがあって食事に集中できます。
 また、食事を頑張れるように「ごちそうさまをしたら〇〇をしよう!」などとお楽しみ時間を設けると期待を持ちながら食事に取り組むことができますよ。様子を見ながら遊び食べの時間が長くなっている場合は、食事を切り上げることも必要です。

パスタを指に詰める

まとめ

 子どもの食事対応で難しい「歩き食べ」と「遊び食べ」に関する対応方法をお話ししてきました。食事時間は学びの場であるとともに、危険なことも起こり得る場でもあるので、喉詰まりなど危ないと思ったら切り上げるようにしてください。食事に関しては「何度も根気よく伝えていく」ことで子どもにも伝わり、落ち着いてくるので楽しい食事時間になるよう、環境を整えていきましょう!