保育の学び

初めての保護者面談で気をつけるポイントと心構え

 

目次
初めての保護者面談で気をつけるポイントと心構え
保護者面談|前日までのポイント
保護者面談|当日の進行のポイント
保護者面談ってなんのためにあるの?
保護者面談終了後のポイント
まとめ

初めての保護者面談で気をつけるポイントと心構え

 初めての保護者面談、一体何を話せばいいのか? 悩むのも当然だと思います。保護者面談のポイントは「保護者の話を聴く」ことです。

まずは保護者に話してもらう

 「何かお子さんのことで、気になることはありませんか?」からスタートするのがいいでしょう。
もしくは事前に記入してもらっていたアンケート用紙を見ながら「○○のお話が気になっているとのことなので、よかったらそのお話から進めてもよいでしょうか?」と伝えるのもおすすめです。
 保護者は自分たちを気にかけてくれる保育士には信頼感を持ちます。なので、まずは保護者の話を聞くことから始めましょう。

保育士が話すのは後でいい

 一通り保護者が話終わったあとで保育士は話し始めるようにしましょう。もしかしたら、ほとんど保育士が話さないで時間がいっぱいになってしまうこともあるかもしれません。その時は「またお返事は連絡帳でさせてくださいね」「きょうはおうちの人のお話が聞けたので、また時間を作ってお返事しますね」と笑顔で返事をしましょう。

予想していなかった話はすぐに答えない

 保護者面談の場で、「先生はどう思いますか?」と聞かれたら「すぐに返事をしなくては」と思うかもしれません。

 ですが、不確実なことを伝えるとトラブルのもとになります。
「明日、調べてお返事さしあげますね」
「他の先生たちにも話をして、園全体でみていきます」
とお返事する勇気をもちましょう。
 また、「わからない」ことは「すみません、わかりません」といえる誠実さが大切です。そんな誠実さこそが、信頼感につながりますよ。

指示や命令はせず、「どうですか?」と提案する

 子どもの様子をみていて、お家でもしたほうがよさそうなことなどを伝える際には「こうしてください」「園ではこうしていますので同じようにしてください」というのはNGです。
 「○○の時にこうするとうまくいくのですが、お家でもどうでしょうか?」「お家でのやり方とは違うかもしれませんが、こうするとうまくいくこともありますよ」と、あくまで提案するような声かけをしましょう。
そうすることで、保護者は自分の思いを大切にしてもらった感を感じとることができますよ。

話し合う2人と女性保育士

保護者面談|前日までのポイント

待ち時間グッズを準備する

 保護者面談では、時間が限られていますので、保護者には時間より少し前に来ていただくのが一般的です。その場合、面談をする部屋とは別の場所に、待機場所を作りましょう。
 その場所には、読み聞かせで活用した絵本・クラス便り・スライドショー・季節などに合わせて、ひざかけ・電気ストーブ・扇風機などを用意しておくことで、気配り上手な保育士になれますよ。

面接資料などを用意する

 個人記録の空欄があれば、保護者面談の際に、確認をして埋める場合もありますので必ず目を通しましょう。保育記録なども事前に目を通しておくことで、子どもの様子を聞かれたときに対応することができますよ。

子供の作品など

 年度末には子どもの作品をみることが多いとは思いますが、保護者面談時に現段階の作品を見るのも保護者としてはうれしいものです。面談時間が早く終わってしまったとき、子どものエピソードをお話するのにも作品は役立ちますので、いくつか用意しておくと安心です。

子供の褒めエピソード

 保護者が聞きたいものの1つが「我が子の褒めエピソード」です。
話題に困ったときや、保護者から話したいことが浮かばない時などに、保育士から褒めエピソードを伝えるようにしましょう。
 その場が明るくなりますし、その先の会話も続けやすくなりますよ。

机と椅子の配置を工夫する

 保護者面談の場合、机と椅子の配置は対面ではなく、L字に配置するといいでしょう。
L字に配置をすることで、自然な感じで視線もはずすことができるもできるので、優しい雰囲気になりますよ。

子供の様子が見えない部屋を選ぶ

 保護者面談につかう部屋は子どもの様子が見えない方がよいでしょう。
保護者も我が子の様子が気になって話ができないことも考えられます。他の保育士と打ち合わせをして、あらかじめ子どもの様子が見えない部屋を決めておくようにしましょう。

何かを見る女性の保育士

保護者面談|当日の進行ポイント

 いよいよ保護者面談当日! 初めての保育士が気をつけるべきポイントをまとめてみました。

保護者面談の挨拶は手短に、でも丁寧に。

 保護者が面談室に入ってきたら、まずは挨拶をしましょう。長々と挨拶する必要はありません。
「今日はお忙しい中ありがとうございます」
「お時間ありがとうございます。よろしくお願いします」
といった挨拶をすることで、丁寧な雰囲気を作ることができますよ。

保護者面談で保育士が伝えるべきこと、聞くべきこと

 まずは保護者の話を聞き、それに答えることが大切です。
そして、面談時に必ず伝えるように上司に言われていることは、必ず伝えるようにしましょう。伝え忘れのないようにメモを机上においておくこともおすすめです。

保護者面談の時間をオーバーしそうな時は

 保護者面談で難しいのが時間配分です。大概の場合はオーバーしてしまいます。
時間オーバーを繰り返してしまうと、面談時間が後ろの人に迷惑をかけることになります。
事前に時間は保護者へお知らせしていますので
オーバーしそうな時には
「もっとお話を聞きたいのですが、お時間が近づいてきてしまいました」
「そのお話ですが、よかったらまた連絡帳などで教えていただけますか?」と
思い切って伝えるようにしましょう。

保護者の面談の時間が予定よりも早く終わってしまいそうな時は

 逆に「時間があまってしまった!」「もう話すことがないのに時間がある」という場合もあるでしょう。
「褒めエピソード」を伝える、「現時点での作品」を見せることで時間を繋ぎましょう。

保護者面談が終わったら、保育士は立ってお見送りしましょう

 意外と忘れがちなのが、面談が終わったあとのお見送りです。
面談が終わって、ほっと一息つきたいかもしれません。
ですが、保護者が面談の部屋を退室して、姿が見えなくなるまでは、立ってお辞儀、もしくは立って見送りましょう。
 最後の最後まで誠実な態度を見せることも、とても大切なことです。

保護者面談ってなんのためにあるの?

 毎日、送迎時などであっているのに、どうして保護者面談なんてあるの? と思う保育士もいるかもしれません。ですが、以下の理由があります。

保護者との信頼関係を築くために、直接話をする機会をつくっている

子供の情報を共有することで、子育てを一緒にしていることを実感してもらう
保護者の思いを聴くことで、誠実な姿勢を見せる

 もちろん、送迎時などにも可能なことではありますが、保護者面談は子どもがいない場所で行いますので、より保護者とじっくり話をすることができます。
 じっくり話を聞いてもらった保護者は、保育園に対してより信頼を重ねることができますね。

保護者面談終了後のポイント

 さて、無事に保護者面談が終わりました。ですが、面談時間が終わって、すべてが終わるわけではありません。
メモをする女性

記録を書こう

 保護者面談からでた話題などは、おおまかでいいので記録するようにしましょう。そうすることで、今後の参考にもなります。プライベートのことまでは書く必要はありません。子どもに関する情報だけをまとめて書いておけば、今後の保育にも役立ちますよ。

内容によっては他の保育士と共有しよう

 保護者面談は他の保育士とも共通しておきたいことも保護者から連絡をうける場合があります。その場合はすみやかに伝達しておきましょう。
 「あの先生にお願いしたのに、他の先生はなにもしてくれなかった」といったクレームにならないよう、できるだけ早く他の保育士に伝えるようにしましょう。

上司にも報告しよう

 保護者面談で困った場合や、時間通りにいかず他の保護者に迷惑をかけたといった時には、必ず上司に報告するようにしましょう。

 「失敗を報告するのは嫌だ」「怒られそうだし、バレなきゃいいや」と思ってしまうかもしれません。ですが、万が一、保護者からなにかクレームが来た時に、責任をとるのは上司です。どんなに小さなことでも、普段の業務同様、報告しておくことが大切です。

返信が必要なものはなるべく早く返事しよう

 保護者面談時に聞かれたがすぐには答えられなかった、面談時間をオーバーしてしまった、そんな時には、他保育士と相談してなるべく早く返事をするようにしましょう。

まとめ|気をつけるポイントと心構えを知って、信頼できる保育士になろう

 初めての保護者面談で気をつけるポイントと心構えは「保護者に信頼感を持ってもらう」こと。
そのために「保護者の話を聴く」ことや、保護者面談前日までに準備しておくべきこと、当日のポイントをまとめてみました。

 初めての面談は誰でも緊張するものです。そこで「保護者の話を聴く」という心構えをもっておけば、保護者にはあなたの誠実な姿勢が伝わります。
 周囲の保育士と協力しながら、初めての保護者面談を乗り切ってくださいね。応援しています。