保育の学び

【節分の日の由来】子どもにもわかる解説

 新年を迎え2月に近づくと、街中でも鬼のお面や豆を見る機会が増えますよね。園での行事として、節分当日に豆まきを行うところが多いのではないでしょうか。

 今回は子どもたちにとっては少し怖い「鬼」がなぜ節分に関係しているのか豆まきをする理由などをわかりやすくお教えしていきます。ぜひ、保育に役立ててくださいね。

目次
節分はいつ?どうして鬼が来るの?
豆を撒く理由は?
節分にちなんだクラス活動の紹介
まとめ

豆撒きをする子ども

節分はいつ?どうして鬼が来るの? 

 節分はその昔、立春・立夏・立秋・立冬の前日に行い、1年に4回行われていました。節分という言葉には「季節を分ける」という意味があり、昔の日本では「春が一年の始まり」とされていたため、立春の前日である2月3日を「節分」として定められたといわれています。

 節分は「季節の変わり目に、邪気や悪いものを落として、新しい年に幸運を呼び込む」ことを目的に行事が行われてきました。園での節分行事で出てくる「鬼」は「邪気や悪いもの」をイメージした存在であり、厄を落とすために「豆をまく」といった理由で子どもたちに分かりやすく説明していけると良いでしょう。

節分ってなに?

 節分の由来を理解したうえで子どもたちに説明するには、わかりやすく簡単な言葉で伝えることが大切です。「節分ってなに?」という疑問には「節分はみんなが健康に元気で過ごせるように願って、悪いものを追い出す日だよ」と簡潔に説明しましょう。

どうして鬼が来るの?

 子どもたちにとって少し怖い存在の「鬼」が何で来るのかが1番興味がある部分かもしれません。「どうして鬼が来るの?」という疑問には「鬼は角や牙があって少し怖いよね。節分の日になると悪いものをみんなのところに持ってきちゃうから、みんなに悪いことが起こらないように追い払うんだよ」と教えてあげましょう。

 鬼の特徴である「角や牙」だけでなく、歌の歌詞にも出てくる「虎の毛皮でできてるパンツを履いている」など説明に付け加えると、子どもたちもイメージしやすいですよ。

 

豆を撒く理由は?

 邪気や悪いもの、すなわち厄を落とすために使われたのが「豆」です。豆は「魔目」や「魔滅」とかいていたことから、魔除けの力があるといわれ、鬼にぶつけることで邪気を払えると信じられていました。鬼を退治するために豆を撒くのは、悪い邪気のイメージである鬼を魔除けの力のある豆で追い払うというところからきているようです。

どうして豆を撒くの?

 子どもに分かりやすく説明するとしたら「豆には悪いものを無くすパワーがあって、鬼は豆が大の苦手なんだ。だから、悪いものを持ってくる鬼がこないように、豆を撒いてやっつけよう!」と伝えてみましょう。

鬼は外!福は内!ってなに?

 豆を撒く時に「鬼は外!福は内!」と声に出しながら豆を投げます。これは、福をもたらす福の神は家の中へ、厄をもたらす鬼は外へといった意味があります。子どもたちには「悪い鬼は外へ追い払って、みんなへの幸せは中に入っておいでという意味があるよ。鬼は外、福は内と大きな声で言いながら豆を撒いて、元気に1年過ごせるようにようね」と教えてあげましょう。

 

節分にちなんだクラス活動の紹介 

 節分の由来や、豆まきに関しての説明を子どもたちに行い「元気に一年過ごすための行事」と理解できたら、クラスでの活動にも取り入れていきましょう。

0〜2歳児 

【豆まきごっこ】
誤飲の恐れがある乳児クラスでは、本当の豆を使わず「自作の豆」として新聞紙で大きめの球体を作って、ポイっと投げる遊びを取り入れていきます。
鬼が描かれた紙を壁に貼り、その鬼に向かって作った豆をポイっと投げ豆まきごっこを楽しみましょう。

【絵本:おにはそと】
おにはそと 

「おにはそと (せなけいこ作)」は、豆まきで逃げ出した鬼の他に残された可愛いチビ鬼が人間の子どもたちと楽しく遊んでいるユニークな絵本です。鬼=怖い、というイメージがある子には心が和むお話ですよ。

3〜5歳児 

【節分製作、鬼退治の作戦会議】
幼児クラスでは豆まきに必要な豆入れを製作したり、どのように豆を撒いたら鬼を追い払えるのかクラスで話し合いをしてみるのも楽しいですよ。画用紙で作った大きめの鬼を壁に貼り、繰り返し豆まきごっこをすることで、鬼が怖くて不安そうな子も「こうやってやれば鬼はこない!」と少し勇気が湧くかもしれません。

【鬼のパンツの手遊び】
リズムが特徴的で一度聴いたら忘れない「鬼のパンツ」の手遊びは節分の時期になると、子どもたちに人気です。節分当日、園にくるかもしれない鬼は歌詞の通り「虎の毛皮でできてるパンツなのかな?」「本当に強いかな?」と子どもたちの会話に出てくるほど。なかには「破れない鬼のパンツ履いてみたい!」という子も出てくるかもしれません。カラーポリ袋を使って簡単な鬼のパンツを作ってみるのも節分を楽しめますよ。

【絵本:おなかのなかには おにがいる】
おなかのなかにはおにがいる
「おなかのなかには おにがいる (小沢孝子 作)」では、みんなのおなかの中にも鬼がいるらしい、といった内容。どんな鬼がいるのかな?と気になって子どもたちは真剣に見ることでしょう。絵本やペープサートならではの、柔らかい内容で節分という行事を伝えていくのもおすすめです。
 

鬼のお面を被った子ども

まとめ

 節分の由来や、豆まきに関するお話をしてきました。行事の由来やどうしてこういうことをするの?という疑問は、子どもたちに分かりやすく説明するのが難しいですよね。長々と説明しても理解できず飽きてしまうので「分かりやすい言葉で、簡潔に」を頭に入れて行事の前に考えておきましょう。

 保育活動の中でも製作や絵本の読み聞かせなど、一年を元気に過ごすために頑張ろう!と思えるような取り組みを行えると良いですね。