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【保育知識】子どもとする避難訓練のお約束【役立ち】

どの園でも年に数回行われる「避難訓練」。
子どもも職員もしっかり災害をイメージして行う必要がありますね。

しかし、非日常な動きに戸惑ってしまう子どもも少なくありません。
「避難訓練」に向けてしっかり導入、お約束をして、実際に災害が起きた時に適切な避難ができるようにしましょう。

1.避難訓練とは

幼稚園、保育園での避難訓練とは、地震や火事などの災害が起きたときに、園児と職員が安全に避難するための訓練です。
地震や火事を想定して、実際に避難をしてタイムを測ったり、消防署との連携を取りながら行います。
乳児は歩行が出来ない子もいるため、避難車を使って避難したり、抱っこ紐等が用いられる場合もあります。

2.避難訓練のねらい

避難訓練には、以下のようなねらいがあります。

  • 子どもたちが保育士の指示に従って動けるようになる。
  • 災害時の適切な行動を想像し、落ち着いて避難できるように備える。
  • 災害時に持ち出すものを確認して、適切な避難グッズを用意しておく。
  • 保護者と連携を取りながら、必要であればお迎え時の受け渡しを練習して災害時の行動を全員で周知できるようにする。

避難訓練は、子どもたちだけでなく職員や保護者が災害時に適切な行動をできるように想定して訓練する必要がありますね。

3.子どもとする避難訓練のお約束

子どもたちにとって避難訓練は、いつもと違う動きや突然の対応、大きなベルの音など不安要素が多くあります。
事前に(できれば前日に)避難訓練があるよ、ということをお話して、気持ち作りをしていきましょう。

3-1.避難訓練の導入をする

実際に災害に遭った事がない子がほとんどだと思います。
子どもたちにとって「避難訓練」をイメージする事は難しいです。
そのため、まずは「避難訓練」とは何なのかをしっかりお話ししましょう。

真面目な雰囲気で、問いかけながら進めていきましょう。

「避難訓練って知ってる?」
「何のためにするのかな?」
「給食室から火が出てたら、どうする?」
「今地震が来てあのピアノが倒れてきたらどうする?」
「火事の時、ずっとお部屋にいたらどうなるかな?」
「何でタオルで口を隠すのかな?」

など、いろんな場面を想定して子どもが答えを知らない事も聞いてみながら、具体的にどうするべきか教えていくと心に残りやすいですよ。

3-2.「お、か、し、も、ち」の約束

子どもたちが覚えやすいように、「おかしもちのお約束」とキャッチーな覚え方ができる約束をしましょう!

→押さない。前を歩くお友達を絶対押さない
→かけない。逃げる時は走らないで歩こう
→喋らない。お喋りせずに黙って逃げよう
→戻らない。忘れ物があっても現場には戻らない
→近づかない。火が出ていたり、建物が崩れて危険な場所には近づかない

しっかり一文字ずつ子どもたちと復唱しながら伝えていきましょう。「かけない」という言い方が難しかったら、「おはしもち」として、「走らない」に変更してもOKです。

3-3.歳下の子のお手本になれるように

避難訓練は、園全体で行う訓練なので、異年齢の子の姿が見えますよね。
そんなとき、年長児がおふざけしていると、歳下の子たちも楽しい雰囲気を感じとって真面目に取り組む事ができません。
特に歳上の子たちは「お手本」になれるよう、速やかに避難することを伝えておきましょう。
そして歳下の子たちには、「お兄さんたちかっこいいね」と声をかけ、憧れから真似できるようアプローチしてみてはいかがですか?

4.職員の心構え

避難訓練は予告ありで行う場合と、予告なしで行う場合があると思います。いつ本当に災害が起きても行動できるように、準備、想定しておくことが大切です。
例えば、以下のように実際に具体的なイメージをしながら日々確認するようにしましょう。

  • 避難経路は理解しているか?
  • 火事の時に口元を隠すタオルはすぐに子どもが手に取れるのか?
  • 地震の時に落ちてきて危険なものはないか?
  • 2階の保育室から逃げる時、滑り台の下に物は置いてないか?
  • 屋外で災害が起きた場合の逃げ場は?

実際に災害が起こった時は焦ってしまうと思いますが、一度でもイメージをしておくことで適切な行動に繋がるでしょう。

まとめ

「避難訓練」は普段の保育と違って、楽しくするものではありません。
そのため、真面目な雰囲気作りや、適切な状況判断など保育士に求められるスキルは高いです。
特に災害をイメージできない学年の子には伝える事が難しいかもしれませんが、イラストや写真を使ってみるのもよいですね。

実際に災害が起きた時に、子どもたちの命を守れるように職員も一体となり訓練に参加しましょう。

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この記事を書いた人

鈴木美都

鈴木美都

保育士

現在浜松市で保育士として活躍中。 子どもの頃から夢だった、自身が卒園した幼稚園型認定子ども園で勤務した後、結婚で浜松市へ移転したことを機に、新たに保育園で全力取り組み中! 「子どもたちの成長の為、常にヒントを探していた自分」と同じ悩みを抱えている誰かの役に少しでも立ちたい!という思いを抱き、 子どもたちの無限の可能性を引き出すために、今日も何かを食べ歩きながらアイデアを考えてくれている。

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