
季節の歌や行事の歌など、園生活において園児に歌を教える機会は多いですよね。
特に発表会や卒園シーズンが近づくと覚える歌の数も増えてなおさらです。
そんな中で、園児がなかなか歌詞を覚えてくれなくて悩んだ経験はありませんか?
ここでは歌詞の意味をうまく伝える方法や、歌を選ぶ際のポイントなどをまとめてみました。
歌を教える保育者のみなさんも楽しみながら進めてくださいね。
1.園で歌をうたうのは何故?
幼稚園や保育園では、歌で始まり歌で終わると言ってもいいほど1日の中で歌をうたう時間が多いですよね。
「おはようございます」と挨拶をするだけでなく「朝の歌」をうたって1日が始まる園も少なくないと思います。
小学校では毎日うたわないのに、何故幼稚園では歌をうたうのでしょうか?
1-1.正しい音感やリズム感を養う
歌をうたったり振り付けに合わせて身体を動かすことによって、音感やリズム感を養う事ができます。
特に「音感(絶対音感)は、幼少期に適切なトレーニングを行うことで身につけることができる」と言われているくらい幼児期の耳の発達は重要です。
絶対音感とまではいかなくても、音楽に親しみ、楽しく音感を身につける事ができる時期なのです。リズム感も同様に、楽しく音楽に親しむ事で自然と身につけることができますよ。
1-2.運動能力の基礎や想像力を育む
歌をうたいながらダンスをしたり、手を叩いたり簡単な行動を一緒に取り入れると、知覚と動作が連結しやすくなって運動能力を高めることにもつながります。
また、歌詞のついた曲を歌うことで子どもたちは歌詞の中の情景を自分なりにイメージします。
童謡は、特にわかりやすく美しい日本語でつくられているため、言語能力もスムーズに伸ばすことができますね。
1-3.歌を通して行事に親しみ、季節感を育てる
行事について知ったり、季節感を育てるのに歌はとてもよい教材です。
昔から歌い継がれている曲は耳馴染みもよく、季節のイメージもしやすいのでないでしょうか?
歌をうたうことで季節の訪れを感じるきっかけにもなりますね。

2.園児が歌詞を覚える3つのテクニック
初めての歌唱指導や、少し長い歌にチャレンジする時などに参考にしてみて下さいね。
2-1.まずは保育者が歌ってみる
まずは子どもたちにどんな歌であるか聞いてもらいましょう。
弾き歌いが難しければ、アカペラでも大丈夫です!子どもに印象づけるため、最初はサビから歌うのもよい方法でしょう。
「この歌楽しそうだな」「私も歌いたいな」と意欲を引き出すことで、歌詞も自然に覚えていけそうですね。
2-2.歌詞の意味を伝える
節ごとに区切って、歌詞の内容や意味を説明しつつ歌えば子どもたちも覚えやすくなります。
子どもたちは聞こえた通りの言葉で歌いがちですが、例えば「まつり」が「まつい」になっていたり間違った聞き取り方をしてしまうことも少なくありません。
そのため、確認の意味も込めて言葉を一つ一つ復唱させながら歌詞の意味を伝えていきましょう。
2-3.視覚でイメージできるようにする
歌のイメージを伝えることは、歌に興味を持つきっかけになります。
曲にまつわる紙芝居があればもちろんのこと、歌いながらペープサートを使うことも効果的です。
特に年齢の低い園児には、見て楽しめることがとても大切なので、画用紙に簡単な絵を描くだけでも良いので視覚でのイメージを共有していきましょう。
また、5歳児になるとひらがなが読める子も増えてきます。沢山覚える歌がある場合は、曲ごとで大きな模造紙に歌詞を書いて掲示するのもおすすめです。

3.【年齢別】歌を選ぶ際のポイント
「季節の歌は決まってるけど、自由曲は何にしよう?」
「音楽会もいろいろな曲があって悩む」
「年齢に合った曲はどんなのがあるの?」
など、さまざまな悩みがありますよね。
そんな先生たちへ伝えたい1番のポイントは保育者が教えていて楽しい歌を選ぶことですよ!
それを踏まえて、年齢別で歌選びのポイントをご紹介します!
3-1.0~1歳児 鳴り物や手遊びができる歌
まだまだはっきりと言葉を話すことがむずかしい年齢です。
ですが、この年齢は歌にあわせて体を動かすことに意味があり、音楽に親しむきっかけになります!
ニコニコと嬉しそうに体を揺らすだけでもOKです。ぜひ繰り返しのある楽しい曲を選びましょう。
手作りのマラカスなど簡単な鳴り物を持つのもおすすめですよ。
例:
- しあわせなら手をたたこう
- むすんでひらいて
- パンダうさぎコアラ
- きらきら星
- ゆきのペンキ屋さん
- とんとんひげじいさん
- げんこつやまのたぬきさん
- アイアイ
3-2.2歳〜3歳 ちょっと動きが入った手遊び歌
だいぶ言葉を話せるようになってきて、歌の意味や振り付けを楽しみ出す年齢です!
ちょっと動きの入った手遊び歌が園児には大人気!
うたいやすい歌であれば、自然と歌詞も覚えてしまいます。
イメージしやすい身近な歌を選ぶとよいでしょう。
例:
- おべんとうバス
- どんぐりころころ
- おもちゃのチャチャチャ
- バスごっこ
- 大きな栗の木の下で
- おすもうくまちゃん
- やきいもグーチーパー
- オバケなんてないさ
- ぼくのミックスジュース
- 山の音楽家
- ちゅうりっぷやぎさんゆうびん
- くじらのとけい
3-3.4~5歳児 ダンスのような振り付け、楽器演奏もできる歌
歌をうたうことにも慣れて、長い歌詞も覚えられるようになります。
ぜひ紙芝居やペープサートなどをつかって曲のイメージを伝えていきましょう。
複数番まである曲や少し複雑な振り付けの曲も、みんなで歌う事を楽しみながら教えていけるとよいですね。
年長さんは手話付きの歌もおすすめですよ。
例:
- そうだったらいいのにな
- 赤鬼のタンゴ
- ビリーブ
- にじ
- 南の島のハメハメハ
- ね
- ありがとうの花
- この星に生まれて
- あしたははれる
- おなかのへるうた
- ドレミのまほう
- きみイロ
- たいせつなたからもの
- 大きな古時計
- アブラハムの子
まとめ
子どもたちへ歌を教える際は、まずは保育者が率先して歌を楽しみ、子供の興味を引きましょう。
また、子供の年齢によって合う歌と合わない歌があるので、選曲は慎重に行うべきです。