春の訪れを感じるこの季節、「春分の日」にはどんな意味があるかご存じですか?
この祝日は単なる“お休み”ではなく、自然や生きものと向き合う大切な日として位置づけられています。
この記事では、春分の日の由来や目的、そして保育に役立つ活動例をご紹介。
子どもたちと一緒に、春の自然を感じながら、祝日の意味を考えてみましょう。
春分の日とは?
「春分の日」は、毎年3月20日ごろに訪れる昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。天文学的な観点からも特別な日であり、春の節目とされています。
祝日法では、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」ことを目的とする日とされており、私たちの生活や自然環境に思いを寄せるきっかけとなります。仏教的な意味合いもあり、お彼岸の中日にあたることから、お墓参りをする家庭も多くあります。
春分の日の春分の日の由来と由来
「春分の日」の由来は、古代から続く自然への感謝や信仰にあります。昼と夜の長さがほぼ等しくなる春分は、自然のバランスや再生を象徴する日とされてきました。
また、仏教では春のお彼岸の中日として祖先を敬う日とされており、これが祝日化される流れにつながりました。戦前は「春季皇霊祭」として皇室の祖先をまつる儀式の日でしたが、戦後の政教分離の原則により、1948年に「春分の日」として制定され、現在の祝日法に記されています。

子どもへのわかりやすい説明
2歳児向け
「きょうは“しゅんぶんのひ”っていう、はるのおやすみの日だよ。あたたかくなって、おはなやちょうちょがたくさんでてくるね。」
3歳児向け
「“しゅんぶんのひ”は、おひさまとおつきさまが、ながさがいっしょになるひだよ。あさもよるも、ちょうどおなじくらいなんだって。おそとで、はるのしぜんをみつけてみようね。」
4歳児向け
「“しゅんぶんのひ”は、おひるとよるのじかんが、いっしょくらいになるとくべつなひなんだよ。
このひをさかいに、だんだんおひるがながくなって、あたたかいはるがふえてくるよ。はなやむしも、すこしずつでてくるね。
また、このひには、おじいちゃんやおばあちゃんに“ありがとう”をいうひともいるよ。ごせんぞっていう、むかしのかぞくにかんしゃするひなんだよ。」
5歳児向け
「“しゅんぶんのひ”は、おひるとよるのじかんが、だいたいおなじになる、はるのとくべつなひなんだよ。
これからは、すこしずつおひるのじかんがながくなって、もっとあたたかくなるんだ。はるのおとずれをつたえてくれるひともいるね。
それから、“しゅんぶんのひ”は、“おひがんのひ”ともいわれていて、にほんではむかしから、この日にごせんぞのおはかまいりをするひとがたくさんいるよ。
いまじぶんたちがげんきにすごせているのは、いろんなひとたちがいてくれたからなんだね。かんしゃのきもちをもつことがたいせつなんだよ。」

春分の日の関連情報
「春分の日」は、自然や命に目を向ける良い機会です。保育現場では、この祝日をきっかけに季節の変化や動植物の観察活動を取り入れることで、子どもたちの感性を育むことができます。
また、「お彼岸」に触れることで、“命のつながり”や“感謝の気持ち”を優しく伝えることも可能です。宗教的な要素は避けつつ、「いのちをたいせつにする」「ありがとうを伝える」ことをテーマにした保育もおすすめです。
カレンダー製作や絵本の読み聞かせなど、日常の活動に自然と組み込むことで、保護者にも伝えやすくなります。
春分の日にちなんだ保育活動
- 春の草花を観察して、絵を描いたり、押し花にしたりする
- 「おひさま」「よる」「いのち」をテーマにした絵本の読み聞かせ
- 家族に「ありがとう」のメッセージカードづくり
- 春の虫や花を探す“しぜんさんぽ”を行う
- カレンダーづくりで「昼と夜の時間が同じになる日」の話題を取り入れる
- 色画用紙で春の草花やちょうちょの製作をする
- 昼と夜の違いを感じるために、影遊びや日光観察を体験する
まとめ
「春分の日」は、自然への感謝と、命や季節のつながりを感じる日です。
子どもたちにとっても、春の訪れを五感で感じ、優しい気持ちを育てる絶好のチャンスとなります。
難しい話にせず、身近な自然や“ありがとう”の気持ちから伝えていくことで、保育に取り入れやすくなります。
家庭や園生活の中で、春分の日ならではの温かな体験を一緒に育んでいきましょう。