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「敬老の日」の由来|子どもにわかりやすい解説

子どもたちにとって、おじいちゃん・おばあちゃんはとても身近であたたかな存在。
そんな大切な人たちに「ありがとう」を伝える日が「敬老の日」です。

今回は「敬老の日」の意味や由来、保育に取り入れられる年齢別の伝え方や活動例をご紹介します。
伝統行事を通じて、子どもたちに「思いやりの心」を育むヒントになれば幸いです。

 敬老の日とは

敬老の日は、9月の第3月曜日に設けられた国民の祝日で、「多年にわたり社会に尽くしてきた高齢者を敬愛し、長寿を祝う」ことを目的としています。

家族や地域で高齢者に感謝を伝えるこの日は、保育現場でも「思いやり」「つながり」をテーマにした保育が行われることが多くあります。

敬老の日の由来

花束もらうおばあちゃん

敬老の日の由来には諸説ありますが、広く知られているのは兵庫県多可郡(現・多可町)で1947年に始まった「としよりの日」が起源という説です。

この日は「お年寄りを大切にし、その知恵を活かして村づくりに生かそう」という地域の取組みから始まりました。

その後、1950年に全国的に広まり、1966年には「敬老の日」として国民の祝日となりました。
一方で、高齢者福祉の理念が強まった戦後の社会背景を反映したものであるという見方もあります。

子どもへのわかりやすい説明

2歳児への説明

2歳児には

「おじいちゃん・おばあちゃんに“ありがとう”を言う日だよ」

と、身近な人を思い出す形で伝えるのが効果的です。

絵本や写真を使い、「にこにこしてくれる人」「いつもぎゅーってしてくれる人」として紹介しましょう。
「きょうは、だいすきってつたえるひ」と優しい言葉で説明し、工作や絵のプレゼントづくりと結びつけると、自然に行事の意図が伝わります。

3歳児への説明

3歳児には

「ながいあいだ、たくさんがんばってきたおじいちゃん・おばあちゃんに、“ありがとう”を伝える日なんだよ」

と伝えてみましょう。

「むかしはね、おしごとをがんばっていたんだって」

と補足することで、年齢を重ねた人の価値を理解し始めます。由来については触れず、「にほんでは、だいじなおじいちゃん・おばあちゃんに、おいわいをする日があるんだよ」と伝統行事のひとつとして紹介しましょう。

4歳児への説明

4歳児には

「敬老の日は、おじいちゃん・おばあちゃんが げんきでいてくれて ありがとうっていう日」

と伝えます。

「ながいじかん、いろんなことをおしえてくれるひとを たいせつにしようっていう きもちからできたんだよ」

と、行事の意味を丁寧に説明することで、思いやりの心が育ちます。

由来についても、

「むかし、あるむらのひとたちが、おとしよりをだいじにしようと きめてはじまったんだって」

と物語風に伝えると理解しやすくなります。

5歳児への説明

5歳児には

「敬老の日は、むかしからずっと おしごとや いえのことを がんばってきた人たちに、“ありがとう”を言う日」

と具体的に説明しましょう。

「日本で いちばんさいしょにこの日をはじめたのは、あるむらのひとたちだったんだよ」

と、由来の背景も加えると学びが深まります。
また、子どもたちに「おじいちゃん・おばあちゃんに どんなありがとうを言いたい?」と問いかけることで、自分の言葉で感謝を考える機会になります。

敬老の日

敬老の日に関連する情報

敬老の日は、子どもたちが「思いやり」や「人を大切にする気持ち」を学ぶ絶好の機会です。
園だよりや保護者向け掲示では、家庭での関わり方として「祖父母とのふれあいの時間を持つ」「ビデオ通話で感謝を伝える」などの具体例を提案してもよいでしょう。

また、地域によっては老人ホームや地域の高齢者と交流する取り組みも見られます。こうした機会に、絵手紙を送る、歌のプレゼントをするなど、園と家庭が連携して高齢者を敬う文化を伝えていくことが望まれます。

敬老の日にちなんだ保育活動

園で実施できる敬老の日にちなんだ活動には、以下のようなものがあります。

プレゼント製作
絵やメッセージカード、手形アート、紙花などを使って、贈り物を手作り。

インタビューごっこ
祖父母に「すきなたべもの」「こどものころのこと」をきいて、似顔絵つきでまとめる。

感謝の歌の披露
園内で敬老会ごっこを開き、歌やダンスで「ありがとう」を伝える時間をつくる。

ビデオレター制作
保護者と連携し、子どもたちの感謝の言葉を動画に収め、祖父母に送る。

活動は無理なく楽しく行うことが大切です。直接会えない場合でも、「気持ちを届ける工夫」が大きな学びになります。

まとめ

敬老の日は、子どもたちが「ありがとう」や「たいせつにしたい気持ち」を伝える素敵な行事です。

保育現場では、感謝を言葉や形にする体験を通じて、思いやりや尊敬の心を育てるチャンスとなります。
由来を知ることで、行事への理解も深まり、祖父母とのつながりも強くなります。

今年の敬老の日には、子どもたちの「ありがとう」が届くようなあたたかい活動を、園でもご家庭でもぜひ取り入れてみてください。

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この記事を書いた人

ほいくnote編集部

ほいくnote編集部

ライター

“ほいくnote〟は、エンターテイメントを切り口に楽しく保育や日常生活で使える情報を発信する保育メディアです。 現役保育士はもちろん、臨床心理士や専門家が監修したコンテンツ、保育系タレント・インフルエンサー達による動画なども楽しめます。

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