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【9月の行事】幼児にも分かりやすく伝えられる!読書週間の由来【解説】

「読書の秋」といわれる季節。子どもたちと本を通じて過ごす時間が、心の成長につながります。
そんな「本とふれあう時間」を大切にする取り組みが「読書週間」です。

今回は読書週間の概要やその由来、保育現場での活用法について、年齢別の子どもへの説明も交えながら、分かりやすく解説します。

「読書週間」とは

読書週間とは、「読書の推進」を目的とした全国的なキャンペーンで、毎年10月27日から11月9日までの2週間にわたって行われます。
これは「文化の日(11月3日)」を中心に、読書の価値や楽しさを広めるために設定されたものです。

全国の図書館や書店、学校・保育施設などでさまざまな読書関連イベントが開催され、本に親しむ機会が広がります。

保育園や幼稚園でも、読書週間をきっかけに「読み聞かせ」や「絵本にふれる活動」を充実させることで、子どもたちの想像力や言葉の力を育むことができます。

読書週間の由来

読書週間の始まりは戦後間もない1947年に新聞社、出版社、書店関係者が「本を通じて文化を取り戻そう」という思いから、「読書週間」を提唱したのがはじまりです。
翌1948年からは文部省(現・文部科学省)も後援に加わり、全国規模の活動となりました。

この時期に設定されたのは、11月3日の「文化の日」に合わせて「文化と読書」をつなげる意図があったためです。なお、国が正式に定めた「読書の日」や「子どもの読書週間」など、似た名称の取り組みも存在するため、それぞれの目的や期間を整理して理解することが大切です。

子どもへのわかりやすい説明

2歳児への説明

2歳児には「読書」や「週間」という言葉は難しいため、

「いまは たくさんの えほんを いっしょに たのしむじきだよ」

といった感覚で伝えましょう。
絵本を見て笑ったり、声に出して読む楽しさを一緒に味わうことが一番です。
説明はシンプルに、

「いまは、えほんさんと なかよくなる じかんだよ」

と語りかけ、絵本=楽しいものというイメージを育てます。
由来には触れず、絵本を読んだあとのやりとりを大切にします。

3歳児への説明

3歳児には

「えほんが たくさん よめる じかんなんだよ」

と読書週間の楽しさを伝えると良いでしょう。

「このじきは、みんなで たのしく えほんを よむんだよ」

と季節のイベントとしてイメージできるよう話します。
絵本を選ぶ楽しさや、読んでもらう心地よさを体験を通して伝えるのが基本です。

由来については

「むかし、たくさんのひとに えほんをよんで たのしんでもらおうって きめたひとたちが いたんだよ」

と簡単に触れる程度にしましょう。

4歳児への説明

4歳児には

「読書週間は、いろんな えほんと おともだちに なる じかんだよ」

と伝えましょう。
「なんで いま いっぱい よむの?」という疑問には、

「えほんを よむと、たくさん ことばを おぼえたり、しらない せかいが みえたりするからだよ」

と伝えると、興味が深まります。

由来に関しては、

「せんそうが おわったあと、たくさんのひとが また えほんを よもうって きめたんだって」

と、平和と文化を大切にする背景をやさしく話しましょう。

5歳児への説明

5歳児には

「読書週間は、本のよさを みんなで たのしむ しゅうかんだよ」

と少し詳しく伝えることができます。
例えば、

「なんでいま いっぱい よむの?」

という問いには、

「むかし、せんそうのあとに、えほんを よんで こころを おちつけたり、あたたかいきもちを たいせつにしようと おもったひとたちがいたんだよ」

と背景をストーリー仕立てにすると理解が深まります。
また、子どもたち自身に「好きな絵本」や「読んでほしい絵本」を考えてもらうことで、読書習慣を主体的に感じられるようになります。

読書週間に関連する情報

読書週間は、「ことば」と「こころ」を育てる大切な時期です。
保育現場で読書習慣を育むには、日常的な読み聞かせをベースに、テーマを設けたブックコーナーづくりや、子ども同士の読み合いの時間も効果的です。
特に、「絵本との出会い」は感性の発達に直結します。

保護者向けには、読書週間中のおすすめ絵本リストを配布したり、「おうちでも1日1冊読んでみよう」という提案も◎。また、絵本作家の紹介や、地域の図書館と連携したイベント案内など、文化資源との接点を作ることも読書週間の広がりにつながります。

読書週間にちなんだ保育活動

読書週間におすすめの保育活動は、年齢に応じて工夫が可能です。

⚫︎絵本スタンプラリー:1日1冊読んだらスタンプやシールを貼る活動。達成感とともに読書への意欲が高まります。

⚫︎お気に入り絵本の紹介ごっこ:自分の好きな絵本を友達に紹介する簡単な発表遊び。言葉と表現力が育ちます。

⚫︎絵本の世界ごっこ遊び:「はらぺこあおむし」「三びきのこぶた」など、物語の再現ごっこを通して、想像力と身体表現を楽しみます

⚫︎おうちの人と一緒に読む宿:保護者にも読書週間に参加してもらえるように、家庭読書カードを配布。

こうした活動を通じて、「本って楽しい!」という気持ちが自然と育まれます。

まとめ

読書週間は、子どもたちが本とふれあい、心を豊かに育てていく絶好の機会です。
保育の中でも、絵本を「ただ読む」だけでなく、「感じて遊ぶ」「伝える」経験を通して、言葉と想像力を深めていくことができます。

また、家庭との連携を深める場にもなる読書週間は、保育者にとっても保護者にとっても、日常の中で本の魅力を再発見できる貴重な時間となるでしょう。

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