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【保育知識】園内感染を徹底予防!嘔吐処理の方法とわかりやすい手順【衛生】

湿気の多い梅雨から夏にかけて、食中毒を中心に胃腸風邪が流行り、園でも嘔吐してしまう子どもがいるのではないでしょうか。
嘔吐をすると、あっという間に感染が広がってしまう為、素早い対応と処理が大切です。

今回は、子どもが嘔吐してしまった時にどのように対応したらよいのか、わかりやすい手順とともに解説していきます。

1.食中毒とは

食べ物や飲み物に入っていた細菌(ばい菌)・ウイルス・毒などが原因で、お腹が痛くなったり、吐いたり、下痢をしたりする病気のことです。

2.準備物

【身につけるもの】
ゴム手袋
ガウンorビニールエプロン
マスク

【処理に必要なもの】
新聞紙orペーパータオル
ゴミ袋
次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)

3.処理の手順

もしも嘔吐があった際に、適切な手順で素早く対応するためのマニュアルを紹介します。

(以下出典:厚生労働省HP「ノロウイルス対策」より引用)

3-1.マスク、ガウン、手袋を装着する

まずは処理、対応にあたる職員が二次感染しないためにしっかりとマスクやゴム手袋を着用しましょう。
衣類に付着した病原体からも感染する可能性があるため、ガウンやビニールエプロンなどを着用して万全な状態をつくりましょう。

3-2.吐瀉物を濡れたペーパータオルや新聞紙で覆う

吐瀉物から病原体が飛沫することを防ぐために、まずはすぐにペーパータオルや新聞紙で吐瀉物を覆います。
煽った上から次亜塩素酸ナトリウム液をかけることも効果的です。

3-3.外側から内側に向けて、覆うように静かに拭き取る

吐瀉物の範囲が広がらないように中心に向かって集め、なるべく飛沫しないように静かに拭き取ることが重要です。

3-4.次亜塩素酸ナトリウムで確実に拭き取る

ウイルスに効果的な次亜塩素酸ナトリウム液を使ってしっかりと拭き取ります。

3-5.2〜4をゴミ袋に入れてくくり、感染性廃棄物として処理する

普段使用しているゴミ箱ではなく、感染性廃棄物として屋外などで別にして処理をします。

3-6.マスク、ガウン、手袋を外し、石鹸で手を洗う

使用したマスク、ガウン、手袋もこの時に廃棄します。

3-7.窓を開けて換気をする

次亜塩素酸ナトリウム液を使用した際は必ず換気をしてください

4.保育園で嘔吐がおこったら

保育園で子どもが嘔吐したら、焦って対応が遅れることのないように手順をしっかり頭に入れ、さらに見えるところにマニュアルを貼っておくなどして迅速に対応ができるようにしましょう。
また、他の子どもたちにうつらないように、嘔吐が起こったらすぐに他の子を別の部屋に移動させましょう。
保育者同士で連携し、事前に担当などを決めておくのもよいかもしれません。

5.よくある失敗事例

ここからは、対処に不慣れな新人保育士によくある『実際に起こった嘔吐処理における失敗事例』を、その反省点とともに紹介します。

5-1.処理道具を取りに行っている間に子どもが嘔吐物に触れてしまった

お昼ごはんの後、1歳児が急に嘔吐。慌てて処理道具を取りに給食室へ走ったが、その間に他の子どもが嘔吐物に近づいて触れてしまった。

【反省点】
まずは嘔吐物の周囲を囲う、他児を遠ざけるなどの「初期対応」が優先だと学んだ。

5-2.消毒液の濃度や使い方を間違えてしまった

嘔吐処理マニュアルをちゃんと確認せず、薄める必要のある消毒液を原液のまま使ってしまい、床の色が変色してしまった。

【反省点】
嘔吐処理は「ただ拭くだけ」ではなく、正しい消毒が必要。マニュアルは常に確認すべき。

5-3.保護者への報告が不十分だった

迎えに来た保護者に「ちょっと吐いちゃって…」と軽く伝えたら、後日「もっと詳しく知りたかった」とクレームになってしまった。

【反省点】
症状の様子・対応・その後の様子などを正確に伝えることの重要性を実感した。

このように、不慣れな保育士が嘔吐処理にあたる際に気を付けておくべき失敗事例がたくさんあります。事前に知識を身に着け、適切に処理ができるようにしておきましょう。

まとめ

この時期に流行する食中毒や胃腸炎で嘔吐があった場合の対応と手順を紹介しました。咄嗟の判断や、事前に嘔吐セットを準備しておくことがもしもの際に役に立ちます。

感染を広めない為に、落ち着いて素早く処理にあたれるようにしましょう!

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