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【臨床心理士 講座】こどもがイライラしているとき〜しつけで大事なこと〜

このノートでは、『こどもがイライラしているとき』の背景や考え方、対応について書いています。こどもはイライラを率直に表現します。イライラがあっても大丈夫という大人の態度が重要です。

こどもがイライラしている時の様子

眠たい、お腹が減った…そんなどうしようもないことでもこどもはイライラしてしまいます。イライラしているこどもは、何か物にあたったり、大人の話を聞かなかったりします。

問題がはっきりしているときは、イライラの原因を取り除くことでイライラは解消します。けれども、何かこどもの都合に合わないことが重なると、怒ることが目的になってしまって、いまさら問題を解決しても納得しなくなります。

こどもが感情的になっていると、大人も感情的になりやすくなるので、何をしてもこどもがイライラしていると、大人も疲れてしまいます。

どうしてそうなるのか

明るい室内ではしゃぐ家族

問題の解決手段をもたないこどもにとって、イライラすることは大人に助けをもとめるSOSです。その一方で、手当たり次第になにかやってみることで、自分自身の力で解決手段を発見しようとする、主体的な意味合いも考えられます。イライラしやすいこどもについては、前回でもあげた、不満耐性の弱いこどもと同じです。

どもは少なからずどこかで、自分は特別でなんでもできるという万能感を抱いています。しかし現実は違います。 自分にはできないこと、世界は全て思いどおりにいくわけではないことにぶつかると、自分は悪くない、周りが悪い!と感じます。するとイライラは激しくなります。

対応方法(考え方)

イライラすることは悪いことではありません。そもそも生活しているなかでイライラを止めることはできません。イライラしているこどもは、大人に助けてほしい気持ちと、自分で何とかしたい気持ちの間に立っています。

大人が手を貸して、さっと問題を解決してあげてもいいのですが、すぐに大人で解決しようとせず、ゆったりと様子を見守ることも必要です。

時には、私たち大人のせいにすることもあります。その際も焦らず、「ははあ、困ってんなあ、どうしようかなあ」という気持ちでのぞみます。

一緒に問題解決を楽しむ。こどもの創意工夫を楽しむ。大人が安心してイライラしているこどもと関わっていると、こどももイライラとの付き合い方を学んでいきます。

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この記事を書いた人

川北 一征

川北 一征

臨床心理士・公認心理師

臨床心理士・公認心理師。1988年生まれ。大阪府出身。大学院終了後、児童福祉施設の心理士として勤務。こどもの心理治療や保護者、保育士の相談業務に携わっている。二男の父。

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