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【臨床心理士 講座】攻撃的な方との関わり方〜保護者との連携①〜

このノートでは、物腰や態度、発言などが攻撃的で威圧的な保護者の方について、そうなる理由や対応について書いています。この様な保護者の方と接する時は、感情的になりやすく落ち着いた対応が難しくなりやすいので、関わりの前にやるべきことをしっかりと整理しておくことが重要です。

攻撃的な方の様子

こどもが怪我をしたさいに、どのような些細な怪我であっても興奮して職員を批難してしまいます。また職員のミスについても厳しく指摘し、こちらが平謝りしても感情的になってしまえばなかなか切り替えることができません。

また、園のルールや対応について、少しでも気にくわないことがあると、激しく怒ります。何か不都合なことは、常に職員や園の問題であると考えてしまいます。

どうしてそうなるのか

攻撃的になってしまう背景には、その方が攻撃を受けていると感じてしまっていることが考えられます。自分が傷つかないように身を守っているのです。

こどものことであれば、誰しもが敏感になります。それでも必要以上に攻撃的になってしまうのは、その方が『何か不安を抱え、少し攻撃を受けただけでも耐えられないような状況にある』からです。

対応方法(考え方)

攻撃的、言い換えれば活動的な方と接すると、私たちの心がザワザワしてしまいます。『精神的に疲弊しやすくなる』ので、このような方と関わらなければならないとわかっているなら、まずはストレスの発散や、相談できる環境が第一に必要です。

攻撃的な方は、自らのエネルギーで都合の良い方へ押しきろうとします。押しきられることも問題ですが、頑なになにもかもNOをつきつけたら、余計に不安を煽ります。

私たちができることは何か、どこまでの融通をきかせることができるか、職員間で話し合うこと』が大切です。

相手の不安を汲み取るために、「ご心配をおかけしました。」「不安をあたえて、申し訳ないです。」などの声かけは当然必要です。しかし、相手の気持ちを汲むことと、園のルールを守ることは別の話です。感情に巻き込まれず、毅然と対応をします。

自分に都合の悪いことを、他者からの攻撃だと感じてしまう方に、いきなり園のルールや制限を伝えても上手くいきません。このような方とは、(積極的にコミュニケーションをとりたくない気持ちもありますが)可能な限りこどもの様子の共有など日頃から関係を築く必要があります。

保護者の方の中には、人と関わることに不安を覚える方もいます。その場合、なるべく『関わる職員を固定したり、対応の内容を統一したりするなど、安定した対応をとること』で安心してもらえることがあります。

このような方は、はっきりとした枠組みがあることで安心できるので、私たちがどのように対応するか具体的に明示します。

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この記事を書いた人

川北 一征

川北 一征

臨床心理士・公認心理師

臨床心理士・公認心理師。1988年生まれ。大阪府出身。大学院終了後、児童福祉施設の心理士として勤務。こどもの心理治療や保護者、保育士の相談業務に携わっている。二男の父。

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